2008年のWeb標準
2008年も残り一週間を切ってしまいました。というわけで、2008年のWeb標準とブラウザーの動きなどを、今年公開したエントリーから振り返ってみようと思います。
HTML, XHTML
草案がW3Cより公開されたり、「完成が2022年」などの発言もあり、HTML5は一年を通じホットなトピックでした。一部のブラウザーでは既にaudio
要素やvideo
要素、localStorage
の実装が進んでおり、今後も目が離せません。
- HTML 5の草案が公開(1月23日)
- HTML 5の最新草案が公開(6月11日)
- HTML5の完成は2022年!?(9月19日)
- Web標準における「相互運用性」とは(4月24日)
- 実装が先か、仕様が先か(11月13日)
XHTMLについては、XHTML Basic 1.1やXHTML Modularization 1.1、そしてRDFaという、3つの仕様が勧告となりました。来年にはXHTML 1.1やXHTML Media Typesの更新、また、XHTML 2.0の新しい草案が予定されています。
CSS
CSSについては、IE8のCSS 2.1対応やその他のブラウザーにおけるCSS3の対応が、いつもより進んだ一年ではなかったかと思います。いくつかのCSS3モジュールは実装も終わっていることから、勧告も期待できるかと思います。
- CSS Variablesの提案(4月9日)
- CSS スナップショット 2007と名前空間モジュールの最新版が公開(5月26日)
- CSS 2.1の勧告はいつ?(6月3日)
- メディアクエリーの最終草案が公開(10月17日)
ブラウザー
Web標準とブラウザーのかかわりとして、やはりIE8が大きなトピックであったように思います。新しい標準モードの導入については、後方互換性をふまえながら前進することの難しさを考えさせられました。
- IE8の新しい標準モードとモードスイッチ(1月22日)
- IE8の標準モードが規定の標準モードに変更へ(3月4日)
- IE8 Beta 1が公開(3月6日)
- IE8のモードスイッチ(6月5日)
- IE8 Beta 2がリリース(8月28日)
また、Opera 9.5やFirefox 3.0、Google Chromeなど、新しいブラウザーのリリースも活発な一年でした。JavaScript処理の高速化やユーザーインターフェースの改良も盛んに行われており、今後どう進化していくのかが楽しみです。
一方で、NetscapeやFirefox 2のサポート終了や、海外ではシェアが低下中のIE6が推奨環境から外されるなど、古いブラウザーについても動きがあった一年でした。
- Netscapeの終了と今後の対応(2月28日)
- Googleのブラウザー「Google Chrome」がリリース(9月3日)
- 動的処理の高速化に取り組むモダンブラウザー(9月26日)
- 移りゆくモダンブラウザー(12月9日)
そのほか
ブラウザーやWeb標準についての紹介の傍ら、実装やユーザビリティに関する調査や考察などをいくつか行いました。
- target="_blank"は非推奨?(1月11日)
- アクセスキーの改善とこれから(1月18日)
- 非整形式なXHTMLのエラー表示(2月25日)
- フォームのmaxlength属性(7月16日)
- label要素とその挙動(7月24日)
- ズーム機能と文字サイズ変更機能のこれから(10月14日)
WAI-ARIAについても、今後の課題について中心に取り上げました。
また、エントリーではありませんが、昨年に引き続き仕様書の翻訳も継続しています。
おわりに
多くのエントリーが、ソーシャルブックマークやBlogで取りあげられているのを目にしました。考えさせられるコメントなどもいくつかあり、とても参考になっています。ありがとうございます。
来年もまた、Web標準Blogをよろしくお願いいたします。