CSS 2.1の勧告はいつ?
現在のCSS WGの活動期限は今年の夏までとなっています。このため、最近は夏からの新しいCSS WGに向けて作業しています。その一環なのか、先週「どのCSS仕様がどこまで進むことができるか」について議論されていたようです。
CSS WG Blogで先ほど公開された記事では、2010年の活動終了時点でのステータスがまとめられています。
勧告予定とされている仕様は次のとおりです。
- CSS 名前空間 (CSS Namespaces)
- セレクタ (Selectors)
- カラー (Color)
- メディアクエリー (Media Queries)
これらは、特にOperaやSafariで実装度合いの高い仕様です。よほど大きな問題がなければ、期間中の勧告は間違いないと考えています。楽しみです。
さて、このリストの中にCSS 2.1が入っていません。CSS 2.1は勧告にならないのでしょうか?
これには、W3Cの策定プロセスと、勧告になるための条件が関係しているのです。
現在のW3Cプロセスでは、実装との剥離が少なくなるよう、「仕様の各機能を完全にサポートする実装が、2つ以上存在していること」という要件が課せられています。
CSS 2.1はひとつの巨大な仕様です。このため、各機能に対し、サポートしている実装が2つ以上という条件を満たすのは非常に難しいことです。一方、CSSモジュールは機能ごとに分割されているため、勧告になるための条件を早く満たすことができます。このため、CSS 2.1よりも早くCSS3モジュールが勧告されるという、奇妙な事態に陥っているのです。
とはいえ、CSS 2.1は現段階でも充分に安定しているといえます。勧告にまだ時間がかかるのは残念ですが、より精度の高い仕様として仕上げてほしいなあと思います。