HTML5と関連仕様、言語リファレンスが公開
HTML WGより3月4日付で、新しいHTML5の草案を含めた6つの文書が公開されました。
- HTML5
- HTML Canvas 2D Context
- HTML Microdata
- HTML+RDFa
- HTML: The Markup Language
- HTML5 differences from HTML4
HTML5 differences from HTML4の日本語訳も、いつもの通り更新しています。
変更点
昨年の草案からの変更点から、いくつか気になるものを挙げてみます。
ひとつは、会話文を表現するdialog
要素が削除されました。専用のマークアップを用意する必要性や、表現力に乏しいといった懸念が寄せられたことによります。
また、figure
要素とdetails
要素について内容モデルの変更がありました。これらの要素はキャプションにlabel
要素を利用していましたが、いまのブラウザーでうまく機能しないという問題がありました。
2D Contextとマイクロデータの分離
昨年8月の草案では、WebSocket APIやWeb Workers, Web Storageなど多くのAPI仕様が分離されましたが、今回もいくつかのAPIや拡張が分離されました。
なかでも、canvas
要素が利用するHTML Canvas 2D Contextと、前の草案から導入されたマイクロデータの分離は大きな変更でしょう。
2D Contextには、分離することによりHTML5の進捗を待つ必要がなくなることや、アクセシビリティ、SVGとの連携などについて協議しやすいという利点がありました。
マイクロデータについてはRDFaと競合すると考える人も多く、削除も提案されるなど大きな動きになりましたが、最終的には利用者が決めるものとして、RDFaと同じくHTML5の拡張というかたちで分離することが決定されました。
製作者向けリファレンス「HTML: The Markup Language」
上記の分離された仕様を除けば、今回初登場となるHTML: The Markup Languageですが、これは要素や属性、内容モデルなど、言語仕様としてのHTML5にフォーカスしたリファレンスです。内容モデルなどは、Validator.nuが利用するRELAX NGスキーマから自動的に生成されています。
これまでも制作者向け代替スタイルシートは用意されていましたが、言語リファレンスがあるとちょっとした調べ物に便利かもしれませんね。
HTML+RDFaは引き続きHTML WGから
HTML+RDFaですが、こちらは先月活動を開始したばかりのRDFa WGではなく、今後も引き続きHTML WGからの公開になるようです。とはいえ、RDFa WGのco-chairであるManu SpornyがEditorであること、どちらのWGにも関わっている人が多いこともあり、仕様が矛盾するということは考えられません。