Web標準Blogでは、Web標準の利用に興味のあるWebサイト管理者、Webデザイナーの方向けに、Web標準を利用するための手法やノウハウ、参考になるリソース等を、国内外を問わずご紹介します。
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2010年3月19日
Web Fonts WGの設立、WOFFの標準化へ
フロントエンド・エンジニア 矢倉
W3CにWeb Fonts WGが設立されました。
Web Fontsはコンピューターにインストールされているフォントではなく、Webサーバー上にあるフォントリソースを取得し、CSSなどから利用する仕組みです。1998年のCSS 2.0からすでに定義されており、Internet Explorerはその頃より、また他のブラウザーでもここ2年ほどの間に基本的な実装を行っています。TypeKitといったWeb Fontsのライセンスサービスも登場し、海外のCSSデザインサイトで見かけることがとても多くなってきました。
しかしながら、Web Fontsの利用にはまだ手間がかかると言ってよいでしょう。大きな理由は、フォントのフォーマットとライセンスになります。商用のフォントをそのままサーバー上にアップロードすることは多くのフォントのライセンスに抵触することになりますが、TrueTypeやOpenTypeそのものにはWebからフォントへのアクセス制限を行う仕組みがなかったのです。
この問題を解決しようと、2年前にMicrosoftとMonotype Imagingが提案したEOT (Embedded OpenType) についてW3Cでの標準化が検討されたことがあります。しかし、いくつかの点から他のベンダーからの反対を受け頓挫していました(詳しくは “for & against standardizing font embedding” をごらん下さい。)。
しかし、昨年にフォントベンダーとMozillaの技術者が中心となり、WOFF (Web Open Font Formatや.webfontと呼ばれていました) というフォーマットの提案が行われました。WOFFは先日リリースされたFirefox 3.6や、XML/HTMLからPDFを出力するソフトウェアPrinceがすでに実装を行っています。また他のフォントベンダーからの賛同も集まっており、WOFFによるフォントの販売とライセンスも行われはじめています。
Web Fonts WGの目的は、これからの標準として合意がとられたWOFFフォーマットの標準化と、その利用に関する適合性を定義することにあります。適合性については、CSS3 Fonts ModuleやSVG Fontsなど、すでに使われている機能への参照や、クロスドメインによるフォントの利用(およびCORSなどによる制限を緩和する仕組み)についてまとめたものになるようです。
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2010年3月17日
Internet Explorer 9 Platform Previewがリリース、詳細も発表
フロントエンド・エンジニア 矢倉
すでに多くのニュースサイトやBlogなどで取り上げられていますが、ラスベガスで開催中のMicrosoft MIX10で、ゼネラルマネージャーのDean HachamovitchよりInternet Explorer 9のキーノートが行われました。あわせて、Platform Previewという開発者向けのテスターも公開されました。
- HTML5, Hardware Accelerated: First IE9 Platform Preview Available for Developers
- Internet Explorer 9: Platform Demos
- Internet Explorer Platform Preview Guide for Developers
- Windows Internet Explorer Platform Preview Release Notes
Platform Preview
今回公開されたのはベータ版ではなく、Platform Previewという開発者向けの評価版になります。これまではベータ品質に達してからのリリースでしたが、Platform Previewは開発者のみをターゲットとしたビルドで、アドレスバーやナビゲーションボタンのないとても簡素なフレームに、レンダリングエンジンと開発者用ツールを載せたものになります。
Platform Previewの公開に至った経緯はIEBlogの“About the Platform Preview”という記事にまとめられています。それによると、IE8の開発段階において開発者から新しいビルドを頻繁に出してほしいという要望が多く寄せられたことにあるようです。Platform Previewは8週間のサイクルで今後リリースされていくようなので、進捗を確かめることができるようになります。
SVGのサポート
あまり大きく取り上げられた印象はありませんでしたが、SVGへの対応はとても大きなニュースであると思います。年初めにSVG WGへの再加入やMIX10でSVGに関するセッションが発表したことからIE9での対応が期待されていましたが、その予想通りSVG 1.1 (second edition)への対応が発表されました。
imgからの読み込みやフィルタなど対応出来ていない部分もありますが、HTML5での埋め込み(text/html)が可能なこと、またGPUのアクセラレーションを利用して高速に処理されることはとても大きいでしょう。
さて、以前よりIEではVMLをサポートしていますが、今後SVGへの移行を促すのかVML to SVG Migration Guideという文書も公開されています。SVGについては今後IEBlogで詳しく取り上げるそうなので、また改めて紹介したいと思います。
要望の高かったWeb標準のサポート
CSS3など一部のWeb標準については昨年のPDC (Professional Developers Conference) でも明らかにされていましが、Platform Previewのリリースノートから、さらに多くのWeb標準がサポートされることがわかりました。
いくつか取り上げると、CSS3については、セレクターやborder-radius, rgba, opacityに、DOMではaddEventListenerやgetComputedStyleといったメソッドをはじめとして、DOM2 Rangeなどもサポートされています。また、XHTMLのメディア型 application/xhtml+xml に対応したことも書かれています。
これらの機能に共通して言えるのが、長年デザイナーや開発者から求められてきた機能であることです。標準のサポートにあたり、彼らは7000ものWebサイトからスクリプトで使われている機能などを集め、特に使われているものを採用していると述べていました(そうでないものもいくつかサポートしていると補足しています)。
HTML5
キーノートでは「HTML5」という言葉が盛んに使われていましたが、Platform Previewのリリースノートを読む限り、特定の機能よりは基礎の部分に向上が見られます。
たとえば、これまでのIEでは任意のタグ(<mytag> ... </mytag>)が意図しないDOMツリーを生成するようになっていましたが、これが修正されるようです。他にも、<b> ... <i> ... </b> ... </i> といったエラー処理もHTML5仕様に準ずるようになったとのことです。
今回のPlatform Previewには入っていないということですが、video要素のサポートも行われるようです。キーノートではハードウェアアクセラレーションに対応したネットブックでHD 720pの動画を2つ並べたものを再生していたのですが、Chromeに比べとてもスムーズに再生できており、パフォーマンスの高さがうかがえました。気になるコーデックですが、YouTubeのHTML5版が再生されていたことから、少なくともH.264がサポートされることになることが分かります。
canvasについて何も触れられなかったことなど気になる点もありますが、“And there's more to come”という言葉も出ていたので、次のPlatform Previewを楽しみに待ちたいと思います。
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2010年3月16日
“Design and Web” ― Adobeが新しい技術との関わりを紹介
フロントエンド・エンジニア 矢倉
Adobeが“Design and Web”というBlogを開設したことを知り、早速読んでいます。このBlogは製品プランやテクノロジープレビュー、業界のトレンドについて紹介することを目的にしているようで、彼らの製品と新しいWebデザイン関連技術の関わりを知るよい情報源になるのではと期待しています。
開設されたのは先週ですが、早速2つの記事が投稿されています。最初の記事“Canvas for Designers”では、「スマートペースト」と呼ばれる、Illusratorなどのベクター情報をcanvas要素に変換しDreamweaverに貼り付けるという機能です。
記事に埋め込まれているビデオでは、アートワークを変換する基本的な貼付けから、データとアートワークを別々に用意してチャートを作成するといったことも紹介されています。
もうひとつは、複数のスクリーンサイズに対してスタイルを適用するDreamweaverの試験的な機能「マルチスクリーン・オーサリング」です。ビデオでは異なるスクリーンサイズでのプレビューが可能なUIとともに、その対応手法について紹介しています。
この機能はとくに独自拡張といったものではなく、メディアクエリーを利用して実現しています。メディアクエリーは個人的にとても注目しており、過去にこのBlogでも何度か取り上げたほか、昨年のWeb DesigningのHTML5+CSS特集でも紹介させていただきました。仕様書の翻訳も行っています。
他のモジュールと比べてそこまで利用されていない印象も受けるので、こういったオーサリングツール側でのサポートで注目されると普及にも一役買うのかなと思いました。
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2010年3月 5日
HTML5と関連仕様、言語リファレンスが公開
フロントエンド・エンジニア 矢倉
HTML WGより3月4日付で、新しいHTML5の草案を含めた6つの文書が公開されました。
- HTML5
- HTML Canvas 2D Context
- HTML Microdata
- HTML+RDFa
- HTML: The Markup Language
- HTML5 differences from HTML4
HTML5 differences from HTML4の日本語訳も、いつもの通り更新しています。
変更点
昨年の草案からの変更点から、いくつか気になるものを挙げてみます。
ひとつは、会話文を表現するdialog要素が削除されました。専用のマークアップを用意する必要性や、表現力に乏しいといった懸念が寄せられたことによります。
また、figure要素とdetails要素について内容モデルの変更がありました。これらの要素はキャプションにlabel要素を利用していましたが、いまのブラウザーでうまく機能しないという問題がありました。
2D Contextとマイクロデータの分離
昨年8月の草案では、WebSocket APIやWeb Workers, Web Storageなど多くのAPI仕様が分離されましたが、今回もいくつかのAPIや拡張が分離されました。
なかでも、canvas要素が利用するHTML Canvas 2D Contextと、前の草案から導入されたマイクロデータの分離は大きな変更でしょう。
2D Contextには、分離することによりHTML5の進捗を待つ必要がなくなることや、アクセシビリティ、SVGとの連携などについて協議しやすいという利点がありました。
マイクロデータについてはRDFaと競合すると考える人も多く、削除も提案されるなど大きな動きになりましたが、最終的には利用者が決めるものとして、RDFaと同じくHTML5の拡張というかたちで分離することが決定されました。
製作者向けリファレンス「HTML: The Markup Language」
上記の分離された仕様を除けば、今回初登場となるHTML: The Markup Languageですが、これは要素や属性、内容モデルなど、言語仕様としてのHTML5にフォーカスしたリファレンスです。内容モデルなどは、Validator.nuが利用するRELAX NGスキーマから自動的に生成されています。
これまでも制作者向け代替スタイルシートは用意されていましたが、言語リファレンスがあるとちょっとした調べ物に便利かもしれませんね。
HTML+RDFaは引き続きHTML WGから
HTML+RDFaですが、こちらは先月活動を開始したばかりのRDFa WGではなく、今後も引き続きHTML WGからの公開になるようです。とはいえ、RDFa WGのco-chairであるManu SpornyがEditorであること、どちらのWGにも関わっている人が多いこともあり、仕様が矛盾するということは考えられません。
