Web標準Blogでは、Web標準の利用に興味のあるWebサイト管理者、Webデザイナーの方向けに、Web標準を利用するための手法やノウハウ、参考になるリソース等を、国内外を問わずご紹介します。
なお当Blogでは、Web標準に関する疑問や質問を募集しています。Webコンテンツ実装プロセスにまつわるお悩みでも結構ですので、お気軽に電子メールでstandards@mitsue.co.jp宛にお送りください。
2008年08月28日
CSS Nite in Shinjuku, Vol.2:Internet Explorer 8スペシャル
フロントエンド・エンジニア 木達
Beta 2バージョンがリリースされたInternet Explorer 8(以下「IE8」)について、それに特化したCSS Nite「CSS Nite in Shinjuku, Vol.2:Internet Explorer 8スペシャル」が開催されます。マイクロソフトの五寳匡郎さんより、IE8の最新情報をお聞かせいただける貴重な機会かと思われますので、興味のある方は参加されてみてはいかがでしょうか。
- 日時
- 2008年9月11日(木)19:00〜20:40(開場:18:30)
- 会場
- マイクロソフト株式会社 セミナールーム(東京都渋谷区代々木 2-2-1 小田急サザンタワー5F)
- 定員
- 130名
- 主催
- CSS Nite実行委員会
- 参加費
- 無料(要事前登録)
詳細や事前登録方法につきましては、CSS Nite in Shinjuku, Vol.2のページをご覧ください。
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2008年08月28日
IE8 Beta 2がリリース
フロントエンド・エンジニア 矢倉
数時間前に、Internet Explorer 8 Beta 2がリリースされました。IEBlogに投稿された記事のいくつか、また更新されたドキュメンテーションから、Beta 1からの変更点などを取り上げたいと思います。
新機能
“Internet Explorer 8 Beta 2 Now Available”では、新たに追加された機能、改善された機能について取り上げられています。セッションの復元やOpera 9、Firefox 3に見られるスマートロケーションバーが搭載されたようです。また「どのタブから開いたのか」という基準でタブの色分けを行う機能も追加されています。
機能の変更ではないですが、Beta 1の「アクティビティ(Activities)」という機能の名称が「アクセラレーター(Accelerators)」に変更されたようです。
また、プライバシーに関しても“IE8 and Privacy”で説明されているように、InPrivateという、ユーザーが細かく情報のコントロールを行うための機能が追加されています。
モードスイッチと「互換ビュー」
IE8では標準でレンダリングモードがIE8モード(CSS 2.1準拠)になるとの発表が今年始めにありましたが、IE8 Beta 2ではその変更が及ぼすであろう問題の解決策について、より具体的で現実的な対応が行われています。
“Introducing Compatibility View”では、新たに追加された「互換ビュー」機能についての詳細が書かれています。
互換ビュー機能は、IE8 Beta 1にあった「Emulate IE7」ボタンを正式な機能として取り込んだようなものとして考えると分かりやすいでしょう。IE8モードで表示に不具合が起こった場合、互換ビューボタンをクリックすることにより、レンダリングモードを切り替えることができるようです。
Beta 2では互換ビュー機能の追加に加えて、イントラネットでは互換ビューがデフォルトでオンになる旨や、IE8の挙動をエミュレートするためのフラグである「IE=EmulateIE8」の追加についても言及されています。
Web標準
IE8が掲げる目標のひとつに、CSS 2.1に準拠するというものがあります。先日もさらに2500を超えるテストケースをW3Cに寄贈したとのアナウンスがありました。
Beta 2のリリースにあわせて更新された“CSS Compatibility and Internet Explorer”では、各CSSプロパティの対応状況を一覧することができます。Beta 2では、部分的だったプロパティのサポートの向上や、新たにbox-sizingやルビ関連プロパティのサポートが行われたなど、準拠度が徐々に高まっています。他にも、代替スタイルシートのサポートや、IE8モードにおけるCSS expressionの無効化などが行われているようです。
CSS以外では、WAI-ARIAのサポート向上、イベント関連プロパティやスクリプトを省くための window.toStaticHTML メソッドの追加が行われています。
IE8のリリース時期とIE6の今後
いくつかのニュースサイトで、IE8は11月のリリースが予定されているという記事を目にしました。IE7のリリースから2年以内に新しいバージョンをリリースするというアナウンスもあることから、年内のリリースは考えられなくもないでしょう。
IE8のリリースも気になりますが、IE6の今後にも注目したいところです。昨日でリリースより7年を迎えたIE6ですが、依然高いシェアを有するのも事実です。しかし一方、
海外ではIE6のサポートを取りやめるWebサービスやWebサイトが増えてきており、“Is It Time to Ditch IE6?”という記事の投票では、実に9割もの人が「サポートをやめるべきだ」という票を入れています。
2008年になり、各ベンダーが新しいバージョンをリリースし、Webを取り巻く環境はまた大きく変化しています。IE8のリリースはこの流れに、どのような影響を与えるのでしょうか。
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2008年08月21日
EOTの標準化
フロントエンド・エンジニア 矢倉
CSS3の機能の一つに、サーバー上に置いたフォントをクライアントが読み込み表示させる「Web Fonts」という機能があります。もともとはCSS 2.0で定義されていたものの、実装が進まなかったことからCSS 2.1では省かれ、現在はCSS3のモジュールとして作業中です。
さて、昨年からWeb Fontsの実装が活発になってきています。Safariはバージョン3.1でWeb Fontsをサポートし、Opera、Mozillaも実装に向け動いているようです。
しかし、Internet Explorerはこれよりもずっと早く、バージョン4の時代からWeb Fontsを部分的にサポートしています(また、Netscape 4も同様の機能をサポートしていました)。
「部分的」とここで書くのは、IEがTrueTypeやOpenTypeではなく、EOT (Embedded OpenType)という埋め込み用フォントファイルのみに対応しているからです。
Web Fontsにはサーバー上のフォントファイルを第三者にダウンロードされる、またはユーザーが使用許諾条件の確認無しに利用されてしまうといった懸念があります。EOTは特定ドメイン以外での利用を禁止するといったアクセス制限をかけられるため、ひとつの解決策として考えれられています。
しかしながら、EOTの仕様とそこで利用されているMicroType Expressという技術はプロプライエタリなものです。このため現在、EOT仕様の標準化について、W3Cでワーキンググループを設置することが検討されています。
公開されているEOT Working Groupの憲章(草稿)を読むと、来年9月までにEOT仕様を勧告するという予定になっています。EOT仕様はMicrosoftが提出した仕様と近づけたいとのことで、相互運用性を考えていることがうかがえます。
追記 (2010-03-19): EOT WGによるEOTの標準化はその後頓挫しました。しかし2010年3月に、WOFFという新しいWebフォントフォーマットを策定するためのWeb Fonts WGが発足しました。詳しくは「Web Fonts WGの設立、WOFFの標準化へ」をごらん下さい。
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2008年08月18日
8月前半のW3C
フロントエンド・エンジニア 矢倉
モバイルのためのCSSとMarquee Module
8月1日に、CSS Mobile Profile 2.0の勧告候補と、CSS Marquee Module level 3の最終草案が公開されました。
CSS MP 2.0は、W3CとOMAが共同で策定するモバイル向けの仕様です。先日勧告されたXHTML Basicと同様に、W3Cの策定したCSS Mobile Profile 1.0と、OMAの仕様であるWAP CSSとの間に発生した食い違いを解消するという目的があります。
この調整の結果として、これまでCSS3 Box Moduleの中で定義されていたmarquee関連プロパティが、CSS Marquee Moduleとして分離され、最終草案として公開されました。
WAI-ARIAの最新草案が公開
リッチアプリケーションをアクセシブルにするための仕様、WAI-ARIAの最新草案が8月6日に公開されました。今回の草案では、ホスト言語へのWAI-ARIA実装に関して寄せられたフィードバックが反映されています。
なお、アクセシビリティBlogの「WAI-ARIA関連文書の日本語訳」でも紹介されていますが、「日立のユニバーサルデザイン」にて、WAI-ARIAの仕様書(5/14版)を含む、WAI-ARIA関連文書の日本語訳が公開されています(日本語版が参照した編集者版と、今回の草案の間にそこまで大きな違いはないようです)。
Element Traversalの勧告候補が公開
要素ノードにアクセスするDOM属性を定義した、Element Traversalの勧告候補が8月13日に公開されました。
現在のDOMには、「次の要素ノード」や「最後の要素ノード」など、要素ノードのみを取得するための仕組みが充分に備わっていません。Element Traversalではこれらの属性を追加し、より直感的な記述と処理が可能となっています。
実装についても進んでいるようで、Operaはリリース版(Opera 9.5)で既に利用可能、WebKitではNightlyビルドで利用可能となっています。Mozillaは現在実装中のようです。
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2008年08月08日
HTML5の公開スケジュール
フロントエンド・エンジニア 矢倉
HTML WGは今月と10月に、HTML 5仕様の最新版を公開する計画をたてています。2ヶ月に一度という急なスケジュールですが、どのような理由でこうなっているのでしょうか。
W3Cの仕様書公開プロセス
W3Cの各グループは、“W3C Process Document”にまとめられているプロセスに従い、新しい仕様を公開しています。
さて、各ワーキンググループには、“heartbeat requirement”という要件が課せられています。これは、「活動の内容を報告する目的で、3ヶ月に一度は、何らかの文書を新しく公開すべき、また、3ヶ月に一度は仕様の最新版を公開しなければならない。」というものです。特別な理由が無い限り、W3Cの各ワーキンググループはこの要件に従い、3ヶ月に一度何らかの仕様を公開、または更新しています。
しかし、HTML WGはこの要件に従うことができていませんでした。これは、HTML 5が影響を及ぼす範囲が非常に広いこと、また400を超える参加者がいることで、WG内外を問わずコミュニケーションにおいて時間や問題が発生していたためです。
しかし、現在では問題の絞込みやコミュニケーションルールが少しずつ機能しています。このため、heartbeat requirementを満たすことにも取り組み始めているのです。
Web Forms 2.0の統合
さて、これまでの埋め合わせなのでしょうか、10月にはさらなるドラフトの公開を考えています。10月版のドラフトでは、Web Forms 2.0の組み込みが開始される予定となっています。
Web Forms 2.0とは、HTML 4のフォーム関連属性を拡張し、新しい値や要素を導入したものです。フォーム関連仕様ではXFormsという仕様がありますが、XMLを前提としていることや後方互換性などの問題から、HTML5にそのまま組み込むことはできません。
部分的な対応はOperaやSafariで既に始まっており、input要素の拡張などを実際に利用することができます。
しかしながら、現在W3CやWHATWGで公開されているWeb Forms 2.0のすべてが組み込まれるかは分かっていません。部分的な組み込みから始まり、いくつかの機能には大幅な変更もありうるとされています。
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2008年08月01日
WaSPカリキュラム・フレームワークのお知らせ
フロントエンド・エンジニア 木達
2008年7月31日
Steph Troeth著
(この記事はWeb Standards Project(WaSP)における投稿記事「Announcing the WaSP Curriculum Framework」を翻訳したものです。当Blogは翻訳の正確性を保証いたしませんので、必要に応じ原文を参照ください。)
2008年3月より、WaSPの教育タスクフォースでは、カリキュラム・フレームワークについて作業を進めています。これは、Webの専門家を目指す人が習得し、以後のキャリアに備えるためのスキルセットや能力を識別することを目的としたツール、そして教師と学生の双方を手助けするようなリソースからなります。
Chris Millsと彼のチームが、素晴らしいOperaのWeb標準カリキュラムに取り組んでいたのと並行して、教育タスクフォースは今年の3月から、その補完的なプロジェクトとして「WaSPカリキュラム・フレームワーク」の作業に着手しました。私たちのフレームワークは、Webの専門家を目指す人が習得し、以後のキャリアに備えるためのスキルセットや能力を識別することを目的としています。
私たちは、そうした能力向けの教材を識別したり包括するのを助けるべく、大学や専門学校等における既存のプログラムに速やかに適合できる、一連の基礎教育コースを作成しています。
このフレームワークは、以下のものを含む予定です:
- コース概要
- 各コースに先立って学生が何を学ぶべきかを示す、推奨されるコース間の従属関係
- 合格点を得るうえで学生が習得しなければならないことを説明した教材
- 学生の各能力の獲得度合いを教師が知ることのできる、宿題やテスト課題のアイデア
- OperaのWeb標準カリキュラムや他の信頼できるソースからのものを含む、推薦図書や推薦記事
- 教師と学生の双方を手助けする、各コース個別の参考リソースやツール、ユーティリティのリスト
なぜフレームワークと呼ばれるのでしょう?Web技術を要素分解していくと、求められるスキルセットが急速に変化すること、この教材を使い勝手の良いものとし続けるのに最も良い方法は、教育コミュニティに属する人々の技能や経験でもってその価値を高めることに気づきました。私たちはこのカリキュラム・フレームワークが、求められるスキルの知識ベースとして「生きたカリキュラム」になることを期待しています。
フレームワークは、それぞれの授業に特化した課題や学習モジュールを開発する世界中の教師たちを助けるための、数々のガイドラインを含むでしょう。個別に作られた教材については、WaSPカリキュラム・フレームワークに提供され、将来的にプロジェクトに含めるかが検討されます。
私たちはまた、このカリキュラム・フレームワークを可能な限り包括的なものとすべく、他の組織や団体と結びつこうと積極的に活動しています。
2009年3月に最初のリリースを迎えるべく、皆さんのなかからフレームワークにコンテンツを提供してくれる参加者を募集します。差し当たって、あなたの考えを共有したり議論に参加するには、WaSP教育タスクフォースがFacebook上に作ったグループに参加してください。もちろん、もしFacebookに入っていなければ、公開メーリングリストも用意しています。
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2008年08月01日
7月後半のW3C
フロントエンド・エンジニア 矢倉
7月前半については、「7月前半のW3C」をご覧ください。
CSS Color Module Level 3の最終草案
CSS3で色関連プロパティを定義する、CSS Color Module Level 3の最終草案が、7月21日に公開されました。
5年前に公開された前のバージョンは勧告候補であるため、一見差し戻されたようにも感じますが、実装状況を踏まえた曖昧さの解決や、文章の明確化が行われており、充分に完成度の高いものとなっています。最終草案の期間が終われば、勧告候補を飛び越し勧告提案まで進む予定になっているようです。
さて、Colorモジュールでは、いくつかの新しい機能が追加されています。
- 不透明度を指定する
opacityプロパティ - 色とその不透明度を指定する
rgba() - HSL色空間(色相、彩度、明度)での色指定を行う
hsl()とhsla() colorプロパティの値としてtransparentの追加
実装状況は、CSS3.infoのテストスイートで確認することができます。少し見てみたところ、Firefox 3、Safari 3.1は上記の機能を実装しています。Opera 9.5については、rgba()とhsla()、color:transparent;をサポートしていないようです。
XHTML Basic 1.1が勧告に
モバイル機器向けXHTMLである、XHTML Basic 1.1が、7月29日に勧告として公開されました。
OMA (Opem Mobile Aliance)が策定してきたXHTML Mobile Profileとの統合により、XHTML Basic 1.0とXHTML MPが抱えていた非互換を解消することができました。
新しい機能としては、XFormsから持ち込まれた、フォーム入力内容の制限を行う inputmode 属性の追加が挙げられます。また、XHTML MPとの統合により、target属性やプレゼンテーション要素(bやiなど)など、いくつかのモジュールが追加されています。
モバイルブラウザーとWeb標準
Web Compatibility Test for Mobile Browsersの新しいバージョンがリリースされました。
このテストは、Web標準仕様のモバイルブラウザーにおける実装状況を調べるために作成されたものとのことです。4月に最初のバージョンがリリースされていましたが、新たにいくつかのテストを追加し、テストページそのもののパフォーマンスも向上しています。
モバイルブラウザー向けとされてはいるものの、3行目、4行目の項目はMedia Queries、HTML5のcanvasやcontenteditable など、モバイルではないWebにおいても普及していない機能についてのテストです。このため、Acid TestsのようにWeb標準の実装状況を確かめる簡単なテストとしても充分利用できると考えられます。
