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HTML5の公開スケジュール

2008年8月8日
フロントエンド・エンジニア 矢倉

HTML WGは今月と10月に、HTML 5仕様の最新版を公開する計画をたてています。2ヶ月に一度という急なスケジュールですが、どのような理由でこうなっているのでしょうか。

W3Cの仕様書公開プロセス

W3Cの各グループは、“W3C Process Document”にまとめられているプロセスに従い、新しい仕様を公開しています。

さて、各ワーキンググループには、“heartbeat requirement”という要件が課せられています。これは、「活動の内容を報告する目的で、3ヶ月に一度は、何らかの文書を新しく公開すべき、また、3ヶ月に一度は仕様の最新版を公開しなければならない。」というものです。特別な理由が無い限り、W3Cの各ワーキンググループはこの要件に従い、3ヶ月に一度何らかの仕様を公開、または更新しています。

しかし、HTML WGはこの要件に従うことができていませんでした。これは、HTML 5が影響を及ぼす範囲が非常に広いこと、また400を超える参加者がいることで、WG内外を問わずコミュニケーションにおいて時間や問題が発生していたためです。

しかし、現在では問題の絞込みやコミュニケーションルールが少しずつ機能しています。このため、heartbeat requirementを満たすことにも取り組み始めているのです。

Web Forms 2.0の統合

さて、これまでの埋め合わせなのでしょうか、10月にはさらなるドラフトの公開を考えています。10月版のドラフトでは、Web Forms 2.0の組み込みが開始される予定となっています。

Web Forms 2.0とは、HTML 4のフォーム関連属性を拡張し、新しい値や要素を導入したものです。フォーム関連仕様ではXFormsという仕様がありますが、XMLを前提としていることや後方互換性などの問題から、HTML5にそのまま組み込むことはできません。

部分的な対応はOperaやSafariで既に始まっており、input要素の拡張などを実際に利用することができます。

しかしながら、現在W3CやWHATWGで公開されているWeb Forms 2.0のすべてが組み込まれるかは分かっていません。部分的な組み込みから始まり、いくつかの機能には大幅な変更もありうるとされています。