7月後半のW3C
7月前半については、「7月前半のW3C」をご覧ください。
CSS Color Module Level 3の最終草案
CSS3で色関連プロパティを定義する、CSS Color Module Level 3の最終草案が、7月21日に公開されました。
5年前に公開された前のバージョンは勧告候補であるため、一見差し戻されたようにも感じますが、実装状況を踏まえた曖昧さの解決や、文章の明確化が行われており、充分に完成度の高いものとなっています。最終草案の期間が終われば、勧告候補を飛び越し勧告提案まで進む予定になっているようです。
さて、Colorモジュールでは、いくつかの新しい機能が追加されています。
- 不透明度を指定する
opacity
プロパティ - 色とその不透明度を指定する
rgba()
- HSL色空間(色相、彩度、明度)での色指定を行う
hsl()
とhsla()
color
プロパティの値としてtransparent
の追加
実装状況は、CSS3.infoのテストスイートで確認することができます。少し見てみたところ、Firefox 3、Safari 3.1は上記の機能を実装しています。Opera 9.5については、rgba()
とhsla()
、color:transparent;
をサポートしていないようです。
XHTML Basic 1.1が勧告に
モバイル機器向けXHTMLである、XHTML Basic 1.1が、7月29日に勧告として公開されました。
OMA (Opem Mobile Aliance)が策定してきたXHTML Mobile Profileとの統合により、XHTML Basic 1.0とXHTML MPが抱えていた非互換を解消することができました。
新しい機能としては、XFormsから持ち込まれた、フォーム入力内容の制限を行う inputmode
属性の追加が挙げられます。また、XHTML MPとの統合により、target属性やプレゼンテーション要素(bやiなど)など、いくつかのモジュールが追加されています。
モバイルブラウザーとWeb標準
Web Compatibility Test for Mobile Browsersの新しいバージョンがリリースされました。
このテストは、Web標準仕様のモバイルブラウザーにおける実装状況を調べるために作成されたものとのことです。4月に最初のバージョンがリリースされていましたが、新たにいくつかのテストを追加し、テストページそのもののパフォーマンスも向上しています。
モバイルブラウザー向けとされてはいるものの、3行目、4行目の項目はMedia Queries、HTML5のcanvas
やcontenteditable
など、モバイルではないWebにおいても普及していない機能についてのテストです。このため、Acid TestsのようにWeb標準の実装状況を確かめる簡単なテストとしても充分利用できると考えられます。