Web Fonts WGの設立、WOFFの標準化へ
W3CにWeb Fonts WGが設立されました。
Web Fontsはコンピューターにインストールされているフォントではなく、Webサーバー上にあるフォントリソースを取得し、CSSなどから利用する仕組みです。1998年のCSS 2.0からすでに定義されており、Internet Explorerはその頃より、また他のブラウザーでもここ2年ほどの間に基本的な実装を行っています。TypeKitといったWeb Fontsのライセンスサービスも登場し、海外のCSSデザインサイトで見かけることがとても多くなってきました。
しかしながら、Web Fontsの利用にはまだ手間がかかると言ってよいでしょう。大きな理由は、フォントのフォーマットとライセンスになります。商用のフォントをそのままサーバー上にアップロードすることは多くのフォントのライセンスに抵触することになりますが、TrueTypeやOpenTypeそのものにはWebからフォントへのアクセス制限を行う仕組みがなかったのです。
この問題を解決しようと、2年前にMicrosoftとMonotype Imagingが提案したEOT (Embedded OpenType) についてW3Cでの標準化が検討されたことがあります。しかし、いくつかの点から他のベンダーからの反対を受け頓挫していました(詳しくは “for & against standardizing font embedding” をごらん下さい。)。
しかし、昨年にフォントベンダーとMozillaの技術者が中心となり、WOFF (Web Open Font Formatや.webfontと呼ばれていました) というフォーマットの提案が行われました。WOFFは先日リリースされたFirefox 3.6や、XML/HTMLからPDFを出力するソフトウェアPrinceがすでに実装を行っています。また他のフォントベンダーからの賛同も集まっており、WOFFによるフォントの販売とライセンスも行われはじめています。
Web Fonts WGの目的は、これからの標準として合意がとられたWOFFフォーマットの標準化と、その利用に関する適合性を定義することにあります。適合性については、CSS3 Fonts ModuleやSVG Fontsなど、すでに使われている機能への参照や、クロスドメインによるフォントの利用(およびCORSなどによる制限を緩和する仕組み)についてまとめたものになるようです。