Web標準Blogでは、Web標準の利用に興味のあるWebサイト管理者、Webデザイナーの方向けに、Web標準を利用するための手法やノウハウ、参考になるリソース等を、国内外を問わずご紹介します。
なお当Blogでは、Web標準に関する疑問や質問を募集しています。Webコンテンツ実装プロセスにまつわるお悩みでも結構ですので、お気軽に電子メールでstandards@mitsue.co.jp宛にお送りください。
2007年07月30日
新しくなったW3CのHTML検証サービス
フロントエンド・エンジニア 矢倉
7月25日より新しいW3C Markup Validation Serviceが稼動しています。デザインやインターフェースの改良だけではなく、内部の仕組みや検証機能にも改善がみられます。
新しいバージョン0.8.0ではアーキテクチャが一新され、検証時間の短縮や信頼性の向上が図られています。加えて、XMLの整形式や名前空間、MIMEタイプに関するチェックなど、XMLに関するエラー検証の精度が高まっています。このため、今までvalidとされていたXHTML文書が新しいvalidatorではinvalidとなる可能性があることにご注意ください。
Validatorは今後も、サービスのローカライズをはじめとするさまざまな改良を続けていくとのことです。日本語版の登場が待たれます。
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2007年07月26日
進むHTML 5のレビューと今後の公開スケジュール
フロントエンド・エンジニア 矢倉
編集者であるIan Hicksonが休暇中であることもあり、今月はHTML 5仕様の更新がありませんでした。かわりに、仕様書のレビューがグループ内で進められています。
HTML 5のレビューは仕様書のセクションごとに人の割り振りを行います。内容を読み、仕様書と実装に齟齬が生じていないか、また明確ではない表現はないかなどをチェックします。そこで提示された問題点について議論し、最終的に仕様に反映されるという仕組みです。
さて、8月はレビューと並行して、ワーキングドラフトの公開に向けた動きが起こるかもしれません。HTMLワーキンググループではHTML 5仕様書のほかに、HTML 4からの変更点をまとめたもの、HTML 5の設計指針というふたつの文書を準備しています。このうち仕様書と変更点についてはChairであるDan Connollyの意向もあり、8月に公開するという予定が立てられています。
当Blogでは今後もドラフトの公開やスケジュールの決定など、何らかの動きがあり次第報告していきます。また、変更点や設計指針はドラフトの公開後、なるべく早い段階で日本語訳を公開する予定です。
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2007年07月20日
CSS 2.1が勧告候補に
フロントエンド・エンジニア 矢倉
1998年に勧告されたスタイルシート仕様CSS level 2の改訂版である、CSS 2.1が勧告候補となりました。W3CのCSSワーキンググループは実装に対するフィードバックを受け付けています。
CSS 2.1では、CSS2仕様のエラー修正をはじめ多岐にわたる変更が行われています。ただ、変更の多くはブラウザの実装を考慮して加えられたものであること、またモダンブラウザはCSS 2.1に準拠するよう開発を行っていることから、ページの表示が乱れるなどの影響はほとんどないものと考えられます。
最初の草案が公開されてから5年弱経ち、勧告まであと一息という段階になりました。最近では2.1のセレクタやプロパティのほとんどに対応するブラウザも増えてきましたし、なるべく早くの2.1勧告と、CSS3へのさらなる注力が望まれます。
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2007年07月19日
XHTML Basic 1.1が勧告候補に
フロントエンド・エンジニア 矢倉
携帯電話やテレビ、PDAなど多種多様な端末向けに開発されたXHTML Basicの最新バージョンであるXHTML Basic 1.1が勧告候補となりました。勧告候補となったことで、W3Cは実装への呼びかけ(Call for Implementation)を行っています。
XHTML Basic 1.1は、前の版である Basic 1.0とOpen Mobile Allianceの策定するXHTML Mobile Profileを統合する目的で策定が進められてきました。XHTML Mobile ProfileはXHTML Basicにいくつかのモジュールを追加したものですが、改訂のたびにBasicとの開きが大きくなっており、二つの標準仕様が存在することに対して懸念が示されていました。
これを踏まえ、XHTML Basic 1.1ではMobile Profileが追加したモジュールをBasicに取り込むことで解決をはかっています。OMAも策定プロセスに参加し、またこの仕様を支持するコメントを寄せており、モバイル向けXHTMLの「再標準化」が今後も順調に進むことが期待できます。
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2007年07月17日
「Web標準の日々」終了しました
フロントエンド・エンジニア 木達
一昨日、昨日と二日間に渡って開催された「Web標準の日々」ですが、その後の情報によりますと総計1,000人を超える方々が参加されたそうで、非常に盛況のうちに終了したとのこと。
講師陣/運営サイドの一員として、ご参加くださった皆様に御礼申し上げます。また主催された株式会社スイッチの鷹野さまをはじめ、本イベントの運営に尽力された皆様にも、この場を借りて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
私は初日にXHTML+CSSトラックで「転ばぬ先のプロジェクトデザイン 〜Web標準への準拠を見据えて〜」をテーマに講演させていただき、二日目にはブラウザトラックでモデレータを務め、またその最後のパネル・ディスカッション「ブラウザはどこに向かうのか?」では司会進行を務めさせていただきました。
ブラウザトラックでの各セッション内容につきましては、後日弊社コラムのほうで簡単にご報告する予定ですが、XHTML+CSSトラックでの行った私の講演内容について、以下リンク集のかたちで若干フォローしておきます。
- Jesse James Garrett: jjg.net
- Jesse氏の著書「The Elements of User Experience」
- The Elements of User Experience - simple planes(PDF)
- 「The Elements of User Experience 」の日本語訳「ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」〜5つの段階で考えるユーザー中心デザイン〜」
- The Nine Pillars of Successful Web Teams
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2007年07月13日
「Degrade Gracefully」にみるHTML 5の後方互換性
フロントエンド・エンジニア 矢倉
HTML 5で新しく追加される要素に関して議論が行われるとき、しばしば「Degrade Gracefully」という言葉が登場します。これはHTML 5の設計指針として重要な概念なのですが、「優雅に退化する」とはどのような意味なのでしょうか。今回はこの言葉が示すHTML 5の互換性に対する取り組みについて簡単に解説します。
ある規格に新しい機能が追加されるとき、既存規格を扱う製品とどう互換性をとるかが問題となります。これはHTMLにおいても同様で、既存のユーザーエージェントに対する互換性への対策は、規格の普及に対し大きな課題となっています。
たとえ新しい要素が使いやすく機能的なものであったとしても、現在のブラウザでまったく機能しないということが起こるのは問題です。このため、HTML 5の新しい要素は、古いブラウザにおいても理にかなった表示や挙動を示すように定義されています。これが「Degrade Gracefully」と呼ばれる概念の大まかな意味です。
たとえば、新しいarticle要素やsection要素は直下にブロックレベル要素のみを許可することで、古いブラウザでも段落の構成を崩すことなく表示することができます。また、canvas要素はimg要素の様に属性ではなく、代替内容を要素内に含む設計になっています。このため、スクリプトなどを使わずに古いブラウザでも代替内容を表示することができます。
もっとも、互換性を考慮した設計が必ずしも設計として洗練されているわけではありません。フォーム関連要素の機能拡張には、「スマートなデザインではない」という意見も出ています。しかし、既存の実装にもある程度の動作保証を行うことで、ユーザーやデザイナー、開発者が払うコストを抑えることができます。
後方互換性への対策により、HTML 5のスムーズな普及をHTMLワーキンググループは目指しています。
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2007年07月10日
Firefox関連セッションのご紹介
フロントエンド・エンジニア 木達
開催が目前に迫ったイベント「Web標準の日々」ですが、なかでもブラウザトラックはブラウザベンダーの皆さんによるダイレクトな情報発信の場として、貴重な機会になるものと思います。特にMozilla Japanからは同トラックで2つのセッションが予定されており、注目を集めています。以下、その内容を簡単にご紹介します。参加を希望される方は、お早めに事前登録をお願いいたします。
ウェブデベロッパーにお薦めのFirefox拡張機能ご紹介
Webアプリケーション開発やデザイン作成などに活用できるFirebugをはじめ、ウェブデベロッパーの作業効率を劇的に改善するFirefoxの拡張機能をご紹介する。
初日の最後の時間帯に予定されているセッションです。WebデザインやWeb開発の現場で、Mozilla Firefoxをお使いの方は少なくないと思います。私もその一人ですが、単に標準への準拠の度合いが高いだけでなく、作業を効率化してくれる多くの魅力的な拡張の存在がその理由です。本セッションでは、そうした作業効率化のための便利な拡張をまとめて一気に知ることができるでしょう。講演されるのは、Mozilla JapanにおいてWeb担当兼技術部兼マーケティング部兼広報部
として、さまざまな業務に携わられている吉野公平さんです。
あなたも一緒に Firefox 3 を作ろう!
Mozilla Firefox 3 の開発プロセスがいかにオープンな環境で行われているか、多くのコミュニティによって作り上げられているかを新機能の詳細と交えて紹介していく。また、Mozilla コミュニティの活動について、コミュニティメンバーも交えて紹介する。
二日目の最初の時間帯に予定されているセッションです。Mozilla Firefoxが次期バージョンではどのような進化を遂げるのか、楽しみにしている人には特に参加必須のセッションとなるでしょう。また、Firefoxといえばオープンソースであることが一つの特徴ですが、その開発に参加するための方法などもわかりやすく解説していただける予定です。講演されるのは、フォクすけ*ブログにて公開されているFirefox紹介ビデオでおなじみの根来香里さんと、国際化を担当されている中野雅之さんのお二人です。
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2007年07月09日
Meet the Professionals ~ Shawn Henry 公開
フロントエンド・エンジニア 木達
ミツエーリンクスVideocastingにて、Meet the Professionals ~ Shawn Henryを公開しました。
「Meet the Professionals」は、Webの世界で活躍する各分野のエキスパートにインタビューを行うシリーズです。Web標準の策定組織として非常に大きな役割を果たしているW3Cにおいて、アクセシビリティを専門的に扱うWeb Accessibility Initiative(WAI)で、教育や普及啓蒙といった活動に携わっているShawn Henryさんが、今回のゲストです。WAIでの活動のほか、Shawnさんはユーザビリティ方面にも詳しく、最近では「Just Ask: Integrating Accessibility Throughout Design」というオンライン文書をお書きになっています。
このインタビューは、アクセシビリティに関する世界的なイベントである「CONFERENCE 2007 Technology & Persons with Disabilities Conference(CSUN)」が催された2007年3月、ロサンゼルスにて収録したものです。CSUNにつきましては、弊社コラム「CSUN 2007参加報告」もあわせてご覧ください。
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2007年07月06日
統計に見るXHTMLの普及状況
フロントエンド・エンジニア 矢倉
HTML 5の編集者であるIan Hicksonが先日行ったHTML文書の調査によると、XHTMLを採用した文書の割合が全体の2割に達したそうです。Ianは過去にもWeb Authoring Statisticsという、HTML文書に関する大規模な統計を行っています。
今回の統計は文書としては公開されていませんが、IanのWHATWG IRCチャンネルでの発言にて読むことができます。簡単に訳したものを次に挙げてみます。
- 統計の対象となったHTML文書の数は数十億。
- デフォルトの名前空間がXHTMLのもの、つまり
xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"が指定されたHTML文書の割合は、昨年の15%から20%に増加。 - DOCTYPE宣言のないHTML文書の割合は、昨年の50%から41%へと減少。
- XHTML1のDOCTYPE宣言を行うHTML文書の割合は19%。
- HTML 4.01 TransitionalのDOCTYPE宣言があり、そのうちURI(システム識別子)のないものは11%。URIのあるDOCTYPEは6%。
application/xhtml+xmlで送信されるXHTML文書の割合は、昨年の0.014%から0.062%へ増加。
XHTMLの数が増加したというのは、ここ数年のBlogブームが大きいものと考えられます。テンプレートにXHTMLを採用し、またひとつの記事でひとつのHTML文書を生成するシステムが多いため、記事の増加に伴いXHTMLが増えたのしょう。
数が増えたからとはいえ、それらがWeb標準に準拠したXHTMLであるのかをこの統計から判断することはできません。しかし「Web標準に準拠したデザインを行う」という意識が広まるにつれ、Validな文書の増加も期待できるでしょう。
