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2012年10月のW3C: WebPlatform Docsが公開

2012年11月30日
フロントエンド・エンジニア 矢倉

WebPlatform Docsが公開

10月8日に、WebPlatform.org とWebPlatform Docs が、W3Cとブラウザベンダーを始めとする企業の賛同を得て公開されました。

WebPlatform Docsは、Webフロントエンド技術のドキュメンテーションをコミュニティ主体で行うために設立されました。

Web開発において、情報を集める際に、ブログや各ベンダーが公開しているドキュメンテーションをはじめ複数のWebサイトを渡ることは多いですが、あまり効率的とはいえません。また、古い情報や適切ではない情報が検索エンジンの上位にくるといった現状もあります。 WebPlatform Docsでは、そうした情報の集約を行うことで、開発の効率化、ベストプラクティスの普及をねらっています。MediaWikiをベースとしたシステムで、誰もがアップデートできることが特徴です。

System Applications WG設立

10月2日に、System Applications WGの設立が発表されました。

SysApps WGは、OSと密接したWebアプリケーションに必要なAPIやセキュリティモデルの策定を行うグループです。グループのcharterでは、モバイルデバイスにおける連絡先やメッセージング、電話などが策定対象のAPIとして挙がっています。

Audio APIのユースケース

10月4日に、Web Audio Processing: Use Cases and Requirementsという文書が初公開されました。

音声関連のAPI、とくにWeb Audio APIが使われるシナリを検討し、APIのどの機能が利用できるかを記しています。

CSS3 Counter Stylesの草案が初公開

10月9日に、CSS Counter Stylesモジュールの草案が初公開されました。

Counter Stylesモジュールでは、制作者が独自のカウンタ機能を定義できる@counter-styleルールを定義します。定義したカウンタは、リストマーカやgenerated contentで利用できます。Listモジュールで定義されていましたが、8月のF2Fミーティングにて独自のモジュールに分離することが決定し、今回の公開に至ります。

High Resolution Timeが勧告候補に

10月23日付で、High Resolution Time仕様が勧告候補となりました。

この仕様は、Web Performance WGが策定するパフォーマンス関連のAPI仕様で利用されるDOMHighResTimeStampインターフェースと、その値を得るperformance.now()メソッドを定義しています。時間の計測にはDate.now()が使われていますが、performance.now()は1000分の1ミリセカンドとより高精度な時間を返します。また、エポック秒ではなくページのナビゲーション開始からの時間を返すなど、パフォーマンス計測に最適化されています。

Filter Effects 1.0

10月25日に、Filter Effects仕様の草案が初公開されました。

Filter Effects仕様はCSS WGとSVG WGの合同タスクフォースFX Task Forceにて策定が進んでいます。SVGにあるフィルタをHTMLなどでも利用できるよう、CSSにfilterプロパティを定義するなど、CSSとの融合を目指しています。また、フィルタを独自に定義できるカスタムフィルタという仕組みも用意されています(以前はCSS Shadersと呼ばれていました)。

フィルタについてはHTML5Rocksに詳細な記事が、カスタムフィルタについては提案したAdobeのWebサイト上に記事やデモが掲載されています。

HTML5仕様の更新

10月25日に、HTML5仕様と関連仕様が更新されました。

9月に公開された今後の計画では、今年のの終わりにHTML 5.0として勧告候補が公開され、以降の新しい機能、相互運用性を確保できていない機能はHTML 5.1に先送りされることとなっています。