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2012年9月のW3C: HTML5の2014年勧告に向けた計画が発表

2012年11月29日
フロントエンド・エンジニア 矢倉

HTML5の2014年勧告に向けた計画が発表

9月19日にHTML WGのco-chairより、HTML5の勧告にむけた計画が発表されました。

計画は「Plan 2014」と題した文書にまとめられています。

2014とあるように、2014年にHTML5を勧告する方針は変わりませんが、細部は変わっています。HTML5仕様は巨大で、仕様の安定度合いや実装状況は機能ごとに異なります。仕様を2014年に勧告するため、現時点で安定しており実装もある機能をHTML 5.0として2014年の第4四半期に勧告、そうでない機能を含めたHTML 5.1を追って2016年の第4四半期に勧告することが提案されました。

現在も係争中の機能(longdesc属性やhgroup要素など)が勧告への妨げになることを防ぐため、拡張仕様(extension specification)という仕組みの導入が提案されました。HTML5仕様から機能の一部を分離することはこれまでも行われていますが、拡張仕様はHTML WGの合意と勧告の条件を満たす場合においてHTML仕様に統合される可能性もあるとされています。

DOM3 EventsのLast Call

9月6日付で、DOM3 Events仕様がLast Callとなりました。

6月14日付けの草案とほぼ内容は同じですが、WheelEventの持つ値の型が変更されるなど、若干の変更があります。

CSS Transforms

9月11日付で、CSS Transforms仕様が更新されました。

4月3日付け草案からの変更点はwww-styleへのポストにまとめられています。

CSS4 Image Values

9月11日付で、CSS4 Image Values仕様が初公開されました。

Level 4では、Level 3から先送りされたcross-fade(), element()や、WebKitが独自拡張として取り入れたimage-set()の標準化が検討されています。

CSS Conditional Rules

9月11日付で、CSS Conditional Rulesモジュールの草案が更新されました。

定義されている機能のうち、@supportsは先週正式版がリリースされたOpera 12.10と、来週正式版が公開予定のFirefox 17で実装されています(仕様が草案段階のためFirefoxは設定で無効にされています)。WebKitでも先月実装されましたが、有効にされてはいないようです。

CSS Flexbox Moduleの勧告候補

9月18日付けで、CSS Flexboxモジュールが勧告候補となりました。

Flexboxは、Opera 12.10で実装されています。また、Chromeが接頭辞付きで実装中です。FirefoxもFirefox 18で初期実装を行なっていますが、実装されていない機能がまだあるため設定で無効にされています。

IE10でも実装されたのですが、勧告候補になる少し前に構文が変わったため、IE10では古い構文の実装となってしまいました。

DOM Parsing and Serialization

9月20日付けで、DOM Parsing and Serialization仕様が初公開されました。

この仕様では、innerHTML, insertAdjacentHTMLなど、HTMLマークアップとDOMを相互変換するAPIなどが定義されています。もともとはHTML5仕様で定義されていましたが、この仕様に移管されました。

WebSocket APIの勧告候補

9月20日付けで、WebSocket APIが勧告候補となりました。

勧告候補ということで、実装とテストケースによる検証が始まります。実装は主要ブラウザで行われていますし、テストケースについてもMicrosoftやOperaなどから提出されています。テストケース自体の検証が終わり、実装のテストがされれば、勧告案にむけた準備が進むでしょう。

CSS Intrinsic & Extrinsic Sizing Module

9月27日付けで、CSS Intrinsic & Extrinsic Sizing Module仕様が初公開されました。

CSSのレイアウトでは、自動的に幅や高さが計算されることがあります。この仕様はそれらの仕組みを、精度を高めた用語を使用し説明するものです。また、幅や高さの自動計算を制作者が指定できるよう、widthheightに新しい値を追加しています。