Web標準Blogでは、Web標準の利用に興味のあるWebサイト管理者、Webデザイナーの方向けに、Web標準を利用するための手法やノウハウ、参考になるリソース等を、国内外を問わずご紹介します。
なお当Blogでは、Web標準に関する疑問や質問を募集しています。Webコンテンツ実装プロセスにまつわるお悩みでも結構ですので、お気軽に電子メールでstandards@mitsue.co.jp宛にお送りください。
2010年2月24日
HTML5について講演を行いました (ほか)
フロントエンド・エンジニア 矢倉
講演や執筆していた雑誌の発売が重なったこともあり、簡単にご紹介させていただきます。
Developers Summit 2010
2月18日、2月19日に目黒雅叙園にて開催されたDevelopers Summit 2010にて、HTML5と関連する技術についてお話させていただきました。セッションは私が大まかな紹介をし、その後はHTML5と関連技術に関するライトニングトークを行うという流れで進みました。
発表で利用したスライドは、Slideshareで公開しています。
300名以上もの方にご参加いただきました。ありがとうございました。
WEB+DB PRESS Vol.55
本日発売のWEB+DB PRESS Vol.55にて、HTML5に関する特集に寄稿させていただきました。HTML5の背景、セクション、他のWeb APIの紹介としてSelectors APIについては私が、他のAPIや機能については、html5-developers-jpの白石さま、HTML5.JPの羽田野さまが担当されています。
Web Designing
雑誌のWeb Designingにて、Web標準に関する情報を発信する「Web Standards Plus」という連載をさせていただいています。18日に発売された3月号では、SVGに関して簡単に紹介しています。
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2010年2月12日
来期のWebApps WGは何をする?
フロントエンド・エンジニア 矢倉
今年の6月末に活動期限を迎えるW3CのWebApps WGですが、来期に向けた取り組みがすでに始まっています。数日前に新しい憲章のドラフトが公開されましたので、今回は次のWebApps WGがどのような活動を検討しているのかをみていきましょう。
入力イベント、通知、メッセージング
新たな仕様として策定を検討されているものは、次のとおりです。
- Alternate Input Device Events
- Web Notifications
- Web Messaging
Alternate Input Device Eventsは、マルチタッチ対応トラックパッドといったデバイスの入力や、ジェスチャーといった入力方式に関連するイベントを定義するものとされています。
Web Notificationsはメール受信やイベントのリマインダなど、Webページ外で非同期に行われる通知に関するAPIになります。
Web MessagingはWeb WorkersやWeb Socketsをはじめ様々な機能で利用されているMessageEventイベントやpostMessage()などを定義する仕様です。HTML5の一部として存在していましたが、すでに分離およびWebApps WGへの移管が決定されており、もうじき公開されるであろう新しいHTML5草案においてはすでに削除されています。
HTML5関連仕様
昨年より、Web Storage, Web SQL Database, Web Sockets API, Web Workers, Server-sent Eventsなど、いくつかの機能がHTML5より分離され、WebApps WGに移管されています。
ドラフトによると、これらの仕様に加え、次のHTML5関連機能についてもWebApps WGでの策定を検討しているようです。
- Web Messaging
- Clipboard Operations
Web Messagingは上記で説明した通りですが、簡単にClipboard Operationsについて補足しましょう。
Clipboard Operationsはその名の通り、カット/コピー/ペースト、ドラッグ&ドロップなど、クリップボード操作を行うAPIになります。この仕様は、ドラッグ&ドロップ機能がHTML5で定義されていることもあったせいか、数年前に編集者ドラフトが作られて以降進展がありませんでした。
しかし、HTML5からドラッグ&ドロップによるコピー/ペースト機能が先日削除されたこと、またHTML5からの機能分離が行われていることをふまえ、来期でも引き続き検討されることになっています(現段階では、HTML5内で定義される可能性もあると記されています)。
APIの基盤固め
相互運用性への取り組みや、APIの基礎を安定させる試みも行われます。
- Web IDL
- DOM 3 Events
- DOM 3 Core 2nd Edition
- DOM 4 Core
- DOM 4 Events
Web IDLはAPIのインターフェース定義中の項目が、ECMAScriptなどの言語実装とどのように結びついているかを細かく定めている仕様です。昨今のDOM APIを提供する仕様の多くがWeb IDLを参照しており、仕様の完成が急務とされています。現在はEcmaのTC-39と共同して、改訂されたECMAScript 5との連携が進められています。
DOM仕様の改訂については、策定が中断され、昨年ようやく再開されたDOM 3 EventsやDOM 3 Coreの改訂が大きなタスクになるでしょう。DOM 4ですが、Coreにはこれまで実装されていたものの標準化されていなかった機能、EventsではDOM 3 EventsでDeprecated扱いになったMutation Eventsの代替案が盛り込まれるものと考えられます。
憲章のドラフトには他にも、先日草案が公開されたSelectors API Level 2, Uniform Messaging Policyをはじめとして、これからのWebに重要な仕様がいくつも並んでいます。
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2010年2月 4日
RDFa WGが設立
フロントエンド・エンジニア 矢倉
W3Cより、RDFa WGの設立が発表されています。
RDFaはXHTMLをはじめとするマークアップ言語に構造化データを埋め込み、RDFとして抽出できるようにする仕組みです。「メタ情報をXHTMLに埋め込むRDFa」で簡単にですが紹介しています。
憲章から、RDFa WGは現在のRDFa 1.0をベースに、次のような拡張を検討していることがわかります。
- ブラウザーや他のXML語彙から利用しやすいように、RDFaのAPI仕様を定義
- 簡易に記述できるように言語仕様を更新
- RDFaの属性をXML言語で汎用的に利用出来るように、語彙とセマンティクスを定義
RDFa 1.0はXHTML 1.1と統合された形で2008年に勧告されましたが、その後HTML5への組み込みやSVG Tiny 1.2に取り込まれたこともあり、ホスト言語に依存しない仕様が必要とされていました。
HTML5にはRDFaとは別に、マイクロデータという、メタ情報を埋め込む語彙とAPIが定義されています。また、RDFやJSONによるデータ出力も用意されています。HTML5では要素や語彙がDOMとして定義されていることもあり、RDFaについてもDOM APIが必要とされているようです。
RDFaはすでにGoogleのRich SnippetsやYahoo!のSearchMonkeyで利用されており、またYahoo! JAPANの検索プラグインでもサポート予定とのことで、広がりが予想されます。編集が簡易になることが検討されているようなので、RDFa自体の発展も楽しみです。
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2010年2月 1日
2010年1月のW3C
フロントエンド・エンジニア 矢倉
Indexed Database API
1月5日付けで、Indexed Database APIの草案が公開されました。これは昨年までWebSimpleDB APIと呼ばれていた仕様です。
先月分のエントリにてお伝えしましたが、Web SQL Databaseの進展が考えにくい状況になったことから、WebApps WGと各ブラウザーベンダーはこの仕様の策定に移っています。
Selectors API Level 2
1月19日付けで、Selectors API Level 2の草案が公開されました。
この仕様は、昨年末に勧告候補が公開された (日本語訳) の上位レベル仕様になります。開発者からの要望が高かったコンテキスト参照 (クエリの起点を指定する) を盛り込み、querySelector, querySelectorAll の拡張や、ショートハンドであるqueryScopedSelector, queryScopedSelectorAll という新しいメソッドの追加が提案されています。また、ある要素が特定のセレクターにマッチするかを返す matchesSelector という新しい機能も提案されています。
matchesSelector はGeckoおよびWebKitでの実装が始められるなど、早い段階で利用できる可能性があります。一方、コンテキスト参照についてはまだ議論が続いている段階のようです。
CSS Styling Attributes Level 1 最終草案
1月21日付で、CSS WGよりCSS Styling Attribute Level 1の最終草案が公開されました。
なんの仕様かというと、style属性内でのスタイルシートの処理を定めた仕様です。
この仕様、もともとはCSS3の一つとして、擬似要素/擬似クラスへの対応、スコープを限定したスタイル適用など拡張が検討されていたのですが、進行することがありませんでした。そして昨年のCSS WG F2Fにて、拡張に関する機能を省き、HTML5や他のスタイル属性を定義する仕様が参照できる仕様としてまとめるということが決定され、この仕様の公開に至りました。
