Web標準Blogでは、Web標準の利用に興味のあるWebサイト管理者、Webデザイナーの方向けに、Web標準を利用するための手法やノウハウ、参考になるリソース等を、国内外を問わずご紹介します。
なお当Blogでは、Web標準に関する疑問や質問を募集しています。Webコンテンツ実装プロセスにまつわるお悩みでも結構ですので、お気軽に電子メールでstandards@mitsue.co.jp宛にお送りください。
2009年3月27日
W3Cのリデザインが進行中
フロントエンド・エンジニア 矢倉
先週のことになりますが、新しいW3C Webサイトのベータ版が公開されました。現在、beta.w3.orgよりアクセスすることが可能になっています。
リデザインの目的や新しい機能については、“About the W3C Site Redesign”というページで説明されています。視覚的な変更だけではなく、WCAG 2.0への準拠や、仕様のカテゴライズ、埋もれがちな情報の整理などがゴールとしてあげられています。
また、仕様書についても、すこし手が入るようです。ベータ版デザインのWCAG 2.0仕様書などから、確認することができます。
これはいいなと思ったのが、「この仕様は勧告です」「この仕様は最新版です」といった仕様書のステータスが表示されるようになったことです。検索エンジンなどでは、最新版ではない仕様書が上位に表示されることがしばしばあるため、最新版への誘導を行う目的で設けられたのでしょう。
他にも、仕様書ごとの履歴や、カテゴリーごとのステータスも分かるようになっています。
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2009年3月19日
Internet Explorer 8、本日夜中にリリース
フロントエンド・エンジニア 矢倉
Microsoftより、Internet Explorer 8正式版のリリースについてプレスリリースが出ました。
これによると、IE8のリリースはアメリカ東部夏時間で3月19日の正午、日本時間では3月20日の午前1時となります。
Web標準Blogでは、これまでにも何度かIE8とWeb標準について取り上げてきました。特に気になるのが、新しく追加された「IE8標準モード」において、これまでの標準モードに依存したページが崩れてしまう問題です。対策方法については過去にまとめていますので、参考になれば幸いです。
リリースされるとなると、次に気になるのはマーケットシェアと、行われるであろう自動更新です。Net Applicationsによる調査によると、2009年2月時点ですでにGoogle Chromeを追い越し、1.17%となっています。テスト目的が多いとは思われますが、なかなか興味深い数字です。
基本的なユーザーインターフェースはIE7から大きく変わっていないことから、IE7からのバージョンアップはIE6よりもずっとスムーズに行われるのではないかと考えています。自動更新についても、IE7のときよりも早いタイミングで、IE8への更新が実施されるのではないかと思いました。
Web制作への影響ですが、IE8標準モードを選択するよりも、ノウハウのあるこれまでの標準モードを指定してデザインするというケースがしばらく続くのではないかと考えています。IE8標準モードを選択してしまうと、スタイルシートやスクリプトの挙動を確認する作業が増えてしまうからです。
とはいえ、Selectors APIなど、IE8標準モードでしか動作しないAPIなども存在しています。中長期的には、IE8標準モードをベースに、IE7やIE6にフォールバックさせるという開発手法に移行したほうがスムーズな可能性が高いと感じています。
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2009年3月19日
ブラウザーベンダーとCSS3
フロントエンド・エンジニア 矢倉
今週前半にテキサスのオースティンで開催されたSXSW Interactiveにて、CSS3に関するパネルセッションが開かれていたようです。
パネルにはMozilla, Microsoft, Operaが参加し、各ブラウザとCSS3の対応状況について語っています。プレゼンターをつとめたOpera SoftwareのMolly E. Holzschlag氏がスライドを公開しているので、すこし見てみましょう。
注:スライド中のサンプルは、実際にCSS3のプロパティを利用しています。このため、それらのプロパティが実装されていないバージョンでは、その効果を見ることができません。
Mozilla
開発者のDavid Baron氏による、CSS3のプロパティを主に解説したスライド(注:XHTMLのためInternet Explorerでは開けません)では、border-imageやtext-shadow, box-shadowなどがコードサンプルと共に解説されています。ほかにも、SVGのフィルタやtransformプロパティなど、最近活発なものについても触れられています。
Microsoft
プログラムマネージャーのSylvain Galinau氏は、CSSとIE8に関する発表(PDF)を行っています。IE8は一部の先行実装を除き、CSS3には対応しません。このためCSS 2.1への準拠についてを短く紹介したものとなっています。ただ、CSS3への対応は検討しているようで、CSS3 ColorやBackgrounds & Borders, Selectorsなど、要望の多いモジュールを高い優先度においていることが示唆されます。
Opera
Håkon Wium Lie氏によるCSS3 in Operaも、Baron氏のスライドと同じようにCSS3プロパティの紹介となっています。Opera Show向けに作られているため、一部のサンプルがデスクトップでは表示できないのが残念ですが、面白いつくりになっています。OperaのロゴをCSSで表現するサンプルなどは思わずにやっとしてしまいます。
WebKitの方が参加されていなかったようですが、Color, Backgrounds & Borders, Media Queryの実装も進んでいますし、CSS TransitionsやAnimationsなどの提案も行っています。CSS3に対し消極的でないことは明らかでしょう。
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2009年3月 9日
CSSWGのTokyo F2F
フロントエンド・エンジニア 矢倉
普段はメーリングリストや電話による会議でコミュニケーションをとるW3Cのワーキンググループは、年に数度、Face to Faceなミーティングも行います。
さて、先週の水曜日から金曜日にかけ、CSS WGのF2Fが東京で開かれていました。CSS 2.1やCSS3モジュールの進展具合、またどのように議論されているのかを知りたかったこともあり、見学というかたちで二日目(木曜日)のミーティングに参加させていただきました。
二日目のトピックは、Syntax, Multi-column Layout, Media Queries, Backgrounds and Bordersなど、CSS3モジュールに関する進行状況の共有と、モジュールの解決されていない課題に関する議論でした。数多くの新しいプロパティが用意されているCSS3ですが、それらが他のプロパティと、あるいは仕様の機能とどう関わるかといった、複雑な話が多かったです。
進行役はOperaのCTOであるHåkon Wium Lie氏がつとめました。インタビューやW3C TPACで見かけたときの雰囲気から真面目な方という印象を持っていたのですが、非常に気さくで明るい方でした。ミーティングも時にジョークを交えながら、楽しい雰囲気で進んでいきました(もちろん、議論するときは皆さん真面目になってましたよ)。
私が参加していない一日目と三日目には、Japanese Layout Task Forceとの合同ミーティングや、CSS 2.1のテストスイート検証について、またCSS 2.1の解決されていない問題について話されていたようです。CSS3ではPaged Media(紙媒体など)におけるレイアウト機能などが強化されているのですが、Prince XMLやAntenna House Formatterという二つのソフトウェアが実装を進めていることもあり、実装との兼ね合いなども意識し慎重に進められている印象を受けました。
見学というかたちではあったものの、意思決定に参加させていただいたり、貴重な経験をさせていただきました。HTML WGとはまた違ったF2Fの雰囲気も楽しめましたし、よい経験になりました。
今後のCSS
さて、F2Fで決定されたことなどを踏まえた、CSS仕様のステータスは次の通りです。
- CSS 2.1 ― 解決された課題をドラフトに反映した段階で、新しい勧告候補を公開することが決まっています。そのほか、テストケースの検証もそろそろ始まる予定です。
- Selectors Level 3 ― 最終草案が今朝公開されました。変更点としては
::selection擬似要素が仕様が明確でなく、また相互運用性を確保できてないという理由から、Level 3から削除されました。今後4週間の最終案内期間を設け、その後次の段階に進む予定です。 - Backgrounds and Borders Level 3 ― 未解決の問題がいくつかあるものの、最終草案レベルには達しているとの認識です。テストケースや意見を募り、最終草案としてなるべく早期に公開したいようです。
- Media Queries ― 勧告候補に進むことが決定しました。複数の実装も表れていることから、かなり安定していると判断されています。
- CSS3 Namespaces ― 簡単な修正を加えて、再度勧告候補を公開することが決定しました。
- Multi-column Layout Level 3 ― 最終草案として公開し、8週間のレビュー期間を設けるという計画が立てられています。
- 2D Transforms Level 3 ― SVG Transformsという仕様と同時に公開することが決定されました。
CSSが仕様・実装ともに大きく進む一年になりそうで、とても楽しみです。
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2009年3月 4日
2009年2月のW3C
フロントエンド・エンジニア 矢倉
XML Schema 1.1の最終草案
XML Schemaの最新版であるバージョン1.1が最終草案となり公開されました。スキーマの構造およびデータ型と文書が分かれていますが、どちらも更新されています。
HTML5の新しい草案
こちらはすでに「Web Forms 2を統合した新しいHTML5の草案が公開」でお伝えしていますが、HTML5の最新草案が公開されました。付属文書であるHTML4との変更点を記したドラフトも更新されたため、以前から行っている日本語訳についても更新し公開しています。
また、今週月曜日にはこの文書の著者であるOpera SoftwareのAnne van Kesteren氏を弊社にお迎えし、HTML5に関する講演を行っていただきました。講演資料も公開されています。
講演資料はHTMLで記述されていますが、Operaで開き最大化すると、スライドとしてご覧いただけると思います。
WAI-ARIAの最終草案
アクセシブルなRIAを実現するための仕様、WAI-ARIAが最終草案になりました。ARIAの仕様そのものとベストプラクティスのほか、ユーザーエージェントのための実装ガイドも新たに公開されました。
- Accessible Rich Internet Applications (WAI-ARIA) 1.0
- WAI-ARIA Best Practices
- WAI-ARIA 1.0 User Agent Implementation Guide
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2009年3月 3日
Anne van Kesteren氏がミツエーリンクスで講演
フロントエンド・エンジニア 木達
3月2日、日本に滞在中のAnne van Kesteren氏を当社にお招きし、HTML5について1時間近くにわたり社内のスタッフ向けに講演していただきました。Kesteren氏はOpera Software ASAでの業務の一環として、HTML5のみならずW3Cでの標準化活動に積極的に参加されています。講演ではHTML5誕生の経緯から目指すゴール、従来のHTMLにはない新機能などについて、デモを交えながら分かりやすく解説してくださいました。講演の際に用いられたHTML文書が既に公開されていますので、興味のある方は是非ご覧ください。ただし、HTML5に対応したブラウザでないと、面白みに欠けるかもしれません。

