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2011年6月のW3C

2011年7月5日
フロントエンド・エンジニア 矢倉

パフォーマンス関連3仕様

Web Performance WGから、6月2日付で2つの新しい仕様が公開されました。また、Navigation Timingの勧告候補も更新されています。

Page Visibilityはページが表示されているかどうかを検出する仕組みを提供します。CPU消費などを考慮したWebアプリケーションの開発を目的としているようです。

定義されるdocument.hiddenvisibilitychangeイベントは接頭辞付きでChromeと先日公開されたInternet Explorer 10 PP2で実装されています。

Timing control~は、ブラウザにフレームを更新するよう伝えるrequestAnimationFrame()メソッドを定義する仕様です。スクリプトからアニメーションを実行するにはこれまでsetTimeoutなどを使っていましたが、インターバルをスクリプトから設定する都合上、ブラウザの描画との同期にずれが生じるなどの問題がありました。requestAnimationFrame()でブラウザにその処理を任せることで、アニメーションをよりスムーズに、そして効率的に表示することが期待できます。

requestAnimationFrame()はMozillaがFirefox 4に実装したものがはじまりです。現在はWebKitでも実装されChromeで利用できます。また、IE10 PP2でもサポートされています。

CSS 2.1, CSS3 Color勧告

6月7日付で、CSS 2.1とCSS3 Colorモジュールが勧告されました。「CSS 2.1とCSS3 Colorモジュールが勧告」で取り上げておりますので、詳細はそちらをお読みください。

SVG 1.1 Second Editionの勧告案

6月9日付で、SVG 1.1 Second Editionが勧告案になりました。

コメントの期限が7月7日になっているので、特に問題がなければ近々勧告として公開されると思わます。

DeviceOrientation Event草案

6月28日付で、Geolocation WGよりDeviceOrientation Eventの草案が公開されました。

DeviceOrientation Eventは、携帯端末などが持つ傾きセンサーや加速度の変化を伝えるイベントを定義します。長らくEditor's Draftの状態でしたが、この度草案として正式に公開されました。

CSS3 Ruby草案

6月30日付で、CSS WGからCSS3 Rubyモジュールの草案が公開されました。

Rubyモジュールは2003年に勧告候補となっていましたが、今回公開されたのは草案、差し戻されたかたちになります。CSS WGのBlogに、EditorのRichard Ishidaのコメントが掲載されています。

今回の草案は、Japanese Layout Task Forceが公開する文書の内容や、HTML5のruby要素の処理を反映させる下準備をしたとのことです。