2012年7月のW3C: HTML5の新しいEditorが発表
ルビのユースケースをまとめた文書が公開
7月10日付けで、Internationalization Core WGより"Use Cases & Exploratory Approaches for Ruby Markup" という文書が公開されました。
この文書は、いくつかのユースケースを提示し、XHTMLのルビ要素とHTML5のルビ要素、そしてHTML5のルビを拡張した案を比較し、それぞれの手法の長所・短所を説明しています。
HTML5のルビ要素はruby
, rt
, rp
のみが定義されており、rb
やrbc
, rtc
がありません。rb
要素については昨年HTML5に含めるという変更提案が出されたものの、rb
の追加だけでは解決できない問題があることから、変更提案が取り下げられました。
HTML5 Editorチームの発表
7月25日に、HTML5仕様のEditorチームが発表されました。
HTML5仕様のEditorは、もととなるWHATWG HTML仕様のEditorでもあるIan Hickson氏が長らく兼務していました。しかし、今年4月にHTML WGがというHTML5の勧告に向けた計画が公開され、Hickson氏はWHATWG HTML仕様の作業に専念しHTML5仕様のEditorから離れること、HTML WGはHTML5仕様を勧告に導くため新しいEditorを募集することが発表されました。
HTML5仕様の新しいEditorは、Microsoftから2人、Appleから1人、HTML WGのメンバー1人の4人体制となります。
なお、Hickson氏がHTML5仕様とWHATWG HTML仕様の違いについてWHATWGのメーリングリストに投稿したメッセージから、WHATWGとW3Cで「別のHTML」が生まれてしまうといったメディア記事などを見かけますが、こちらについてはHickson氏のメッセージ本文、そしてW3CのCEOであるJeff Jaffe氏がW3CのBlogに投稿したエントリが参考になります。
- 運営メモ: WHATWG の HTML Living Standard と W3C の HTML5 仕様との関係についての最新情報(Hickson氏のメッセージ日本語訳。原文)
- HTML5 と HTML.next(Jaffe氏のBlogエントリ日本語訳。原文)
さて、Hickson氏はHTML5仕様だけではなくCanvas 2D Context仕様のEditorも務めていました。こちらも別途Editorを募集中でしたが、8月2日付けでEditorチームが発表されました。
Adobeから1人、Googleから1人、Microsoftから2人と、こちらも4人体制となっています。