Acid3 Testが改訂
9月17日のことですが、Acid3 Testが改訂されました。
Acid3の改訂はこれが初めてではありません。テスト自体にバグがあったケースや、:visited
擬似クラスのプライバシー対応に追従するなど、過去にも数度変更がされています。しかし、今回の変更ではこれまで100点に数点満たなかったIE9とFirefoxでスコアが100点になったこともあり、受け取られ方が多少異なっているようです。
今回の改訂は、策定中のDOM4で提案されている変更と、Acid3で使われているいくつかのサブテストが衝突することがわかり、テストしている項目を見直すことが良いと判断された結果行われました。その経過で、複数のブラウザで実装される見込みのない機能もコメントアウトされました。結果として、IE9やFirefoxでスコアが上昇しています。
Acid3は「次世代Web標準」への対応度をはかるひとつの指標とみられる事が多いように感じますが、これだけで対応度を図ることはできません。Acid3は包括的なテストスイートではなく、むしろショーケースのようなものです。スコアが100点に数点満たないからといって「遅れている」とも言えないのです。
また、100点をとったからといって、準拠度が高いとは必ずしも言えません。今回コメントアウトされた「すべてには実装見込みのない」SVG Fontsに関するテストは、WebKitやOperaでパスしていたものの、その実装はAcid3をパスするための最低限な実装だったという指摘があります。不十分な実装では使いたい機能が使えないということも起こりうるわけです。
Acid3が作られた目的は、当時「安定している」と考えられた仕様(CRが中心)のうち、実装が進んでおらず開発者が使えない機能をテストとして選ぶことで、相互運用性を向上させようとするものでした。そういった目的をもつテストが、相互運用性やプラットフォームの漸進を妨げてしまうのは本末転倒ですから、仕様や実装だけでなく、テストの改訂にも意義があるわけです。