HTML5パーサの現在
Opera Core Concernsのエントリにて、HTML5パーサを搭載したOperaのテストビルドが公開されています。
エントリでは、15年近くも同じパーサにパッチを当て続けてきた結果膨れ上がってしまったコードをHTML5のアルゴリズムに沿って書きなおした経緯が書かれています。他にも、新しいパーサが消費するメモリや、そのパフォーマンスについても触れられています。
HTML5パーサについては昨年、Mozilla Hacksに投稿されたエントリをもとに記事を書いています。記事を書いた2010年5月時点で、HTML5パーサの実装が行われていたのはGeckoだけでしたが、翌6月よりWebKitでHTML5パーサの実装が始まり、8月に有効となりました。HTML5パーサは10月に安定板となったChrome 7から利用されています。
HTML5パーサは、DOMツリーの相互運用性を高めるだけでなく、SVGをtext/html
な文書中に直接記述できる、いわゆる「インラインSVG」をサポートします。Operaのテストビルドでも、インラインSVGが表示されていることを確認しました。
さて、インラインSVGにはIE9も対応しています。HTML5パーサは搭載されていませんが、処理が他のブラウザーに近くなったため、相互運用性の向上はもちろん、SVGも利用しやすい土壌ができあがってきたのではないでしょうか。