CSS WG F2F: CSS 2.1の勧告スケジュールと検証
ひと月前になりますが、CSS WGのface-to-faceミーティングがノルウェーのオスロで開かれました。
議論されたトピックが多いので、今回はCSS 2.1について取りあげたいと思います。
issues listのクローズと勧告案のスケジュール
ここ数ヶ月の間、CSS WGはCSS 2.1のissue解決を重点的に行なってきました。F2Fでは、初日の多くの時間を解決にあてていたようです(議事録から詳細を知ることができます。)
今回のF2Fで、CSS 2.1のissues listは凍結されました。どういう事かというと、以降に提出された新しいissueは、編集上のものを除きCSS 2.1のerrataに追加もしくはCSS3以降で解決されることになります。
これで、勧告案に進むための仕様が確定しました。CSS WGでは勧告案を年内に、勧告を来年早々にというスケジュールを立てているようです。
テストスイートの検証
さて、勧告案に進むために必要なのが、仕様の実装になります。CSS 2.1の準拠は各ベンダーとも概ね終わっていると考えられていますが、実際に検証してみる必要があります。WGはそのためにテストスイートを作成するわけですが、CSS 2.1の大きさもあり、その数は膨大です。さらに、テストケースが正しいかどうか検証する必要もありますから、その作成にも時間がかかります。
現時点で、テストスイートのRC版が用意されています。まだいくつかのテストに問題が見つかっているようなので、テストスイートの完成にはもうしばらくかかりそうです。
テストケースは今後各ブラウザーベンダーによってテストされ、実装レポートが提出されます。リソースの兼ね合いからレポートの提出時期が異なり、Microsoftは9/29、Googleは10/18まで、Apple, Mozilla, Operaはそれ以降になるようです。
懸念されるのが、どのブラウザーでもパスしないテストが存在することです。今週水曜日に行われたCSS WG teleconでは、Microsoftのエンジニアよりそのようなテストケースが126あると伝えられました。テストのカバーする範囲が分からないため、126という数が多いか少ないかを判断することはできませんが、これらを早々に解決する必要がありそうです。
なかなか時間がありませんが、解決ができれば来年にはCSS 2.1, Selectors, CSS3 Color, CSS Namespacesが勧告されそうです。