CSS WGのJune 2009 F2F
今月の頭になるのですが、CSS WGがフランスでFace to Faceミーティングを行っていました。ミーティングの議事録が公開されていたので、CSS 2.1やCSS3の現状について簡単に紹介しようと思います。
CSS 2.1のテスト
CSS 2.1の新しい勧告候補が4月23日に公開されましたが、次の段階に進むにはテストケースの完成と、それらに基づいた実装の検証が必要となります。テストケースはMicrosoftのものをはじめ数は集まりつつあるのですが、テストが正しいかを検証しなければならないため、時間がかかりそうです。
活動期限である2010年11月末まで1年半ほど。そこから逆算して、「テストは9月までにすべてを集め、その検証は12月まで」といった計画が立てられています。
Web Fonts
すでに草案が公開されていますが、CSS3 Fonts Moduleの新しい草案が公開されました。
新しい草案は、今まであった「CSS3 Fonts」と「CSS3 Web Fonts」として公開されていた草案を統合したもので、大幅に書き直されています。前のCSS3 Fonts草案にあった、フォントのエフェクト(エンボス加工など)を行うようなプロパティは省かれています。
新しい草案の公開
段組を実現するCSS3 Multi-column layoutの最終草案の公開が決定されました。また、これまでGeckoとWebKitが独自拡張として実装していたCSS3 FlexboxについてはCSS WGでの策定が受け入れられ、また近いうちに草案が公開されることも決定しました。
時期は定かではありませんが、getBoundingClientRect
やscrollTop
など、座標を取得するプロパティを定義するCSSOM View Moduleについても、新しい草案を公開すると決まったようです。
その他の草案
CSS3にはさまざまなモジュールがありますが、数年間まったく動きのないものがほとんどです。ということで、注力する予定のない次の仕様は、作業を終了することが決定されました。
- CSS3 Math
- CSS
style
attribute syntax ― 拡張に関する部分を削除して、現在使われている構文のみを定義するように - CSS3 Hyperlink Presentation Module
- Introduction to CSS3 ― CSS Snapshotで置き換え予定
- CSS Reader Media Type
- CSS Aural Style Sheets
- CSS Scoping
- CSS3 Presentation Levels
終了ではありませんが、次の仕様についてはリソース不足のため作業ができないという確認がされました。
- CSS3 Ruby Module
- CSS Object Model