CSSとSEOスパム
Webデザイナーのまことさんより、CSSとSEOスパムに関するご質問をいただきました。
CSSコーディングにおいて、画像のメニューボタンをマウスオーバー時に画像変更させたい場合、まず、リストタグでテキストリンクのメニューを作成します。
そして、CSSにて画像を背景画像にして変更する形をとります。
そのため、各画像ボタンにあるリンクテキストの文字は見えなくさせる必要があります。
その方法としては、テキストインデントを負の-9000などにしてリンクテキストの文字を画面から消す方法、もう1つは、可視性で非表示にして消してしまう方法があります。この2つの方法が使われるようですが、これはSEOスパムではないでしょうか?CSS設定で文字を非表示にしたり、画面から見えなくするのはSEOスパムだと思うのですが。。。
本件につきましては、既に画像置換とSEOスパムという記事のなかでも触れている事柄ではありますが、あらためて以下に私の考えを整理してみます。
まことさんがご説明なさっている、text-indentやdisplayプロパティを用いた画像置換と呼ばれる手法は、CSSが有効かつ画像非表示という特性を備えた閲覧環境に対し、アクセシビリティ上の重大な問題をもたらします。つまりそのように設定された視覚系ブラウザでは、当該部位の情報が得られない状況に陥ってしまうのです。
この問題を解決しつつ画像置換を行う手法として、最近Bob Image Replacement(BIR)と命名された手法が公開されています。しかしこの方法では、置換の対象ごとにボックスの高さや幅をスタイルシート側で指定する必要がありますし、文字サイズをうまく指定しておきませんと表示サイズを大きくしていったときに画像の下から文字がはみ出してしまうようです。
画像置換を使う理由はさまざまにあると思いますが、少なくともデメリットを上回るメリットが十分に期待されない限りは、(SEOスパムと判定されるか否かにかかわらず)慎重に判断すべきだと思います。画像化によって訴求したい文言があれば、適切なalt属性を伴ったimg要素で実装するのが大抵の場合において安全かつ有効だと思います。
最後にそのSEOスパムか否かという問題についてですが、SEOスパムの定義や判断基準は検索サービスの提供元ごとに異なるでしょうし、それを外部でいくら論じたところで単なる予想でしかない、と考えます。もしSEOスパムであると懸念されるのであれば画像置換は使うべきではありませんし、懸念されてもなお画像置換を使う必要があるのであれば、積極的に使うべきでしょう。商用サイトであれば、実装上の技術的な視点のみならずビジネス的な視点から、メリットとデメリットを総合的に秤にかけて慎重に判断すべきである、と思います。
コメント
画像置換とSEOスパムの質問をしましたムラカミです。
この件については今でも疑問ですが、最近は極力テキストリンクを使うようにしております。
BIRも読みましたが、手数が多くあまりいい策とは思えませんでした。
ムラカミさま、ご質問とコメントありがとうございました。結局のところ、本件につきましては検索サービス側がSEOスパムと判断するうえでの基準を明確にしない限り、疑問が完全に解消することは無いだろうと思います。
しかし、仮に明確になったところで、その基準がいつ検索サービス側の都合で変更されるとも限りませんから、実装方針を決める拠り所は最終的には(検索サービス云々よりむしろ)実際にコンテンツを使うユーザとのあいだでどのようなコミュニケーションを実現すべきか、その一点に尽きるように思います。
BIRに似た手法ですが、ほとんどのブラウザ(Opera6以外)に対応しています。
MacIEももちろん。
文字が大きくなっても可能。
です。
DKIR
http://kikky.net/pc/css_ir2.html