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Web標準と長期的ROI

2005年5月13日
フロントエンド・エンジニア 木達

Web標準の導入によって期待されるメリットを何度かに分けて解説していますが、今回は長期的ROIについてです。ROIとは、Return on Investmentの略であり、日本語には投資対効果などと訳されます。

仮にレガシーな、テーブルレイアウトと消極的な(せいぜい、一部の文字の色や大きさを制御する程度の)CSS利用による実装を行っているサイトがあったとします。そのサイトにWeb標準を導入し、コンテンツは(X)HTML文書、見栄えはCSSというように、構造と見栄えを分けて管理できるようになると、以後のリデザインにおけるコストを減らすことができます。

従来、レガシーな実装においてリデザインを行うということは、すべてのHTML文書をほとんど全て作り直すことを意味していました。というのも、見栄えもかなりの部分をHTMLでもって(コンテンツと一緒くたに)記述していたからです。しかし、HTMLは文書の意味的構造を記すためのもの。一般的にリデザイン、リニューアルといえばサイトの見栄えだけを変えたいのであって、個々のページの文書構造の変換を意味しないはずです。

いったんWeb標準に準拠してしまえば、以後のリデザインは原則としてCSSの編集のみで完結できるでしょう。仮に新しいスタイルを適用するうえで若干文書に手を加えることが必要になったとしても、全面的な作り直しほどは手間もコストもかからないはずです。

それゆえ、長期的に運用を継続する予定のあるサイトであれば、早い時期にWeb標準バージョンへとスイッチしておくことで、以後の運用上の負荷軽減が期待できるわけです。最初のスイッチのタイミングではある程度のコストの発生が想定されますが、それも長期的に見れば十分投資に見合うことでしょう。つまり、Web標準は長期的ROIに優れているといえます。