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ハイブリッド実装

2005年4月8日
フロントエンド・エンジニア 木達

文法チェックに便利なツールにおいて、「ハイブリット型」についての質問をいただきました。この言葉はおそらく、ハイブリッドレイアウト、またはハイブリッド実装と呼ばれる手法と同義と思われますので、以後は「ハイブリッド実装」と表記します。

ハイブリッド実装とは、Webコンテンツの実装において見栄えの制御を完全にCSSで行う(=フルCSS実装)のではなく、その一部をtable要素を使って行うというものです。ただし、そのような(レイアウト目的の)table要素を無闇に使って良いわけではなく、コンテンツの読み上げ順序に配慮し、また複数のtable要素が複雑な入れ子にならないよう注意することが求められます。大まかなレイアウトにのみtable要素を用い、それ以外の見栄えはCSSで指定するのが一般的のようです。

上記の配慮は、主にアクセシビリティを確保するという理由から求められますが、そもそもtable要素は本来、その名のとおり表を記述するために用意されたものであり、レイアウト目的に利用することは好ましくありません。

しかしJeffrey Zeldman氏は著書「Designing with Web Standards」のなかで、このハイブリッド実装を、フルCSS実装の採用に至るまでの過渡的な手法として、その有効性を論じています。CSSを一切使わず、見栄えの制御もすべて一緒くたにHTMLで記述し続けるよりは、段階的にであってもWeb標準の考え方を取り入れることが重要であり、その過程においてハイブリッド実装を採用することは理にかなっている、といえます。