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この文書「CSS スナップショット 2007」は、W3CCSS ワーキンググループ による「Cascading Style Sheets (CSS) Snapshot 2007 (W3C Working Draft 19 October 2007)」の日本語訳です。

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原文が勧告 (Recommendation) ではなく、策定途中の草案 (Working Draft) であることにご注意ください。

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更新日:
2008-09-30
公開日:
2007-11-01
翻訳者:
矢倉 眞隆 <>

W3C

CSS スナップショット 2007

2007 年 10 月 19 日付 W3C 草案 (Working Draft)

この版:
http://www.w3.org/TR/2007/WD-css-beijing-20071019
最新版:
http://www.w3.org/TR/css-beijing
編集者:
Elika J. Etemad

概要

この文書は、各 Cascading Style Sheets (CSS) 仕様の現状をまとめた上で、今日の CSS 仕様を定義するものです。

この文書のステータス

この章は、この文書の公開時におけるステータスについて説明しています。このため、他の仕様がこの文書を上書きしている可能性があります。W3C による他の出版物およびこの技術レポートの最新版は W3C 技術レポートインデックス (http://www.w3.org/TR/) で探すことができます。

ワーキングドラフトとしての仕様書公開は、W3C メンバーによる支持を意味するものではありません。この文書は更新されたり他の文書と置き換えられたり、また破棄される可能性もある草案段階の仕様書です。策定中ということを明記せずに、この文書を引用することは適当でありません。

この仕様に関する議論は、公開メーリングリスト www-style@w3.org (アーカイブ) で行われています (議論への参加の前に、手順 をお読みください)。E メールを送るときには、件名に “css-beijing” という文字を含めてください。たとえば、“[css-beijing] …summary of comment…” というスタイルが適当です。

この文書は Style ActivityCSS ワーキンググループ により作成されました。

この文書は 5 February 2004 W3C Patent Policy の下で活動するグループにより作成されました。W3C は 特許情報の開示に関する公開リスト を関連する団体と共に、その成果物とあわせて管理しています。リストには情報開示に関する説明もありますので、ご参照ください。特許について十分に知識のある人物が、当該仕様に関し Essential Claim(s) が認められると判断した場合は、W3C 特許方針の第 6 章 に従い情報を開示する必要があります。

これは、最初の css-beijing 公開草案 (first public Working Draft) です。

目次

1. はじめに

最初の CSS 仕様が公開された当時、すべての CSS は CSS Level 1 を定義する一つの文書に収まっていました。CSS Level 2 もまた、幾章かに分かれたものの、一つの文書として定義されました。しかし、Level 2 以上の CSS について、CSS ワーキンググループはモジュール化というアプローチを選択しました。単一の仕様ですべてを定義するのではなく、複数のモジュールで CSS を構成するというものです。仕様を分割することで管理しやすくなるほか、より早く、また段階的な CSS の改善を行うことができるようになります。

それぞれの CSS モジュールは、異なった安定状態にあります。このため、CSS ワーキンググループは、2007 年現在における Cascading Style Sheets の定義範囲と現状をまとめた、このプロファイルを公開することにしました。このプロファイルには、私たちが安定していると考え、そしてその安定性を保証する充分な実装と経験を持つ CSS 仕様のみが含まれています。

しかし、このプロファイルを「デスクトップブラウザのための CSS プロファイル (CSS Desktop Browser Profile)」と解釈しないでください。このプロファイルは、定義される機能の安定性のみを基準とし選んだものであり、その利用が推奨されるか否かを基準としていません。このプロファイルは、完成形にある CSS を定義しています。

1.1 W3C のプロセスと CSS

このセクションは非規範的です。

W3C のプロセス (W3C Process) では、勧告トラック (Recommendation-track) に進んだ文書は、次に説明する五段階の安定度を経るとされています。

草案 (Working Draft、WD)
仕様の策定中に公開されるものです。草案の目的は、仕様の現状をスナップショットとしてまとめ、W3Cや一般の方からコメントを求めるというものです。この状態の文書は不安定であり、また未完成の状態あるものとして知られています。
最終草案 (Last Call Working Draft、LC または LCWD)
最終草案を公開することで、ワーキンググループは仕様が完成し、問題が解決されているということを示します。重大な問題が表れない限り、最終草案の公開により仕様は勧告候補へ進むことになります。最終草案期間 (Last Call period) は CR になる前に、ワーキンググループ外の人間が問題を提起する最後のチャンスです。
勧告候補 (Candidate Recommendation、CR)
勧告候補を公開することで、ワーキンググループはすべての問題を解決し、仕様が実装可能な状態であると示します。
勧告案 (Proposed Recommendation、PR)
CR を終えこの段階に入ると、仕様は包括的なテストスイートと実装レポートを必要とします。実装レポートとは、仕様中のすべての機能を、相互運用性を確保した上で実装したものが最低二つ登場したことを示す報告です。勧告案の段階に入ることは、W3C にその必要条件をクリアしたと示すことになります。W3C がその仕様を公式に認めると、その仕様は勧告となります。
勧告 (Recommendation、REC)
最後の段階です。この時点において、仕様の変更は何ら必要ない状態であることが示されます。

CSSWG の経験をふまえると、勧告トラックは一直線でないといえます。LCWD の段階で寄せられる幅広い意見により、多くの場合、新しく一つまたはそれ以上の草案が出る結果となります。私たちについてはより顕著で、多くの仕様が二度も CR となる事態が発生しました。これは実装テストによって仕様の重大な問題が明らかになり、草案に差し戻されたことによります。また、小さな問題の修正も CR からまた草案に戻されることを必要とします。結果、CSSWG は CSS 仕様の安定性に関し明確な考えを持っているにもかかわらず、ワーキンググループ外の人間と仕様の公式なステータスについて、同じ理解を持つことが非常に難しくなっているのです。CSS ワーキンググループが本文書を作成する目的は、CSS の現状について私たちが持つ理解を、グループ外の人に伝えることにあります。

1.2 CSS Level 1

CSS ワーキンググループは、CSS1 仕様 を廃止されたもの (obsolete) と考えています。CSS Level 1 は CSS1 仕様で定義された機能すべてを指すものとされていますが、CSS1 仕様に書かれた定義は CSS2.1 仕様 のものです。

1.3 CSS Level 2

CSS2 仕様 は建前的には W3C 勧告となっていますが、この仕様は W3C が勧告候補という段階を設ける前の文書です。このため、その後の実装経験とさらなるレビューにより、CSS2 仕様にはさまざまな問題があることが分かりました。膨れ続ける 手に負えない量のエラッタ に対処するため、CSS ワーキンググループは CSS Level 2 Revision 1 (CSS2.1) を定義すると決定したのです。

CSS2.1 は現在勧告候補となっています。公式には違いますが、事実上は CSS2 以上の安定性を持っています。このため、CSS2.1 は CSS2 勧告を廃止する (obsolete) ものと考えてよいでしょう。二つの仕様に齟齬がある場合は、CSS2.1 が確実な定義を行っていると考えてください。CSS2.1 から削除された CSS2 の機能は、勧告候補の段階にあるものと考えて構いません。しかし、それらの多くは CSS Level 3 草案に盛り込まれることに注意してください。そして、それらの仕様が CR に達したとき、CSS2 の定義は廃止される (obsolete) ものと考えてください。

結論としては、CSS2.1 仕様CSS Level 2 を定義するものとなります。

1.4 CSS Level 3

このセクションは非規範的です。

CSS Level 3 は CSS2.1 仕様を核に、CSS Level 2 より上位の CSS 仕様をモジュールにより構成するものです。各モジュールは CSS2.1 仕様に機能を追加する、または一部を変更するものです。CSS ワーキンググループは、新しい CSS モジュールが CSS2.1 仕様と矛盾しないよう心がけています。つまり、新しいモジュールは機能を追加するか、その定義に磨きをかけるものとなります。各モジュールの策定が終了すれば、それらは CSS2.1 と、その時点で終了しているモジュールで構成される CSS 体系に追加されることとなります。

このレベルからのモジュールは、機能ごとに独立したレベルを持つことになります。たとえば、Selectors Level 4 が CSS Line Module Level 3 の前に定義されるということが起こるかもしれません。

2. Cascading Style Sheets の定義

この仕様が勧告候補となる段階において、Cascading Style Sheets (CSS) は次の仕様から構成されることになります。

2.1 部分的な実装

代替となる値を与えるという、前方互換なパース処理規則を製作者が利用できるようにするため、CSS レイアウトの実装者は利用できるレベルにないあらゆる構文、プロパティ、キーワードを 無視 しなければなりません。

2.2 CSS プロファイル

すべての実装が、CSS で定義されている機能すべてを実装しているわけではありません。ある実装では、特定の CSS プロファイル (CSS Profile) で必須とされる機能のみを実装しているということがあります。プロファイルとは、特定のクラスの CSS 実装において基本であると考えられる機能を定義した、CSS のサブセットです。W3C CSS ワーキンググループは、次の CSS プロファイルを定義しています。

2.3 実験的な実装

プロプライエタリなプロパティと値の拡張が、将来の CSS で定義される機能と衝突しないように、CSS2.1 仕様では 接頭辞構文 というものを予約しています。CSS ワーキンググループは、CSS 草案で定義されている機能の実験的な実装には、ベンダー接頭辞をつけたプロパティ名、または値の名前をつけることを推奨しています。これにより、その後草案に変更があったときに互換性がなくなってしまう状況を避けることができます。しかし、仕様が勧告候補の段階に達したとき、実装者は接頭辞なしの構文を実装することが奨励されています。