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Web標準Blogでは、Web標準の利用に興味のあるWebサイト管理者、Webデザイナーの方向けに、Web標準を利用するための手法やノウハウ、参考になるリソース等を、国内外を問わずご紹介します。

なお当Blogでは、Web標準に関する疑問や質問を募集しています。Webコンテンツ実装プロセスにまつわるお悩みでも結構ですので、お気軽に電子メールでstandards@mitsue.co.jp宛にお送りください。

2008年09月26日

動的処理の高速化に取り組むモダンブラウザー

フロントエンド・エンジニア 矢倉

WebKitプロジェクトBlogの“Full Pass of Acid3”という記事にて、WebKitがAcid3テストを完全に通ったというアナウンスがありました。しかしWebKitは3月に「100/100」というスコアを出しており、テストで利用されている仕様への準拠は終了しています。いったい「完全」とはどういった意味なのでしょうか。

テストに通るとスマイリーが表示されることで有名なAcid2テストは、CSS 2.1に関するテストが中心となっていました。しかし、Acid3はより動的な側面である、DOMやJavaScriptの実装度合いを確かめるためのテストです。テストそのものが動的に更新されることから、仕様の実装だけではなくそのパフォーマンスもチェックするように求められています。WebKitは3月の時点で仕様の実装が完了したものの、パフォーマンスの向上については満足に行われていませんでした。

その後WebKitは、高速化されたJavaScriptエンジン「SquirrelFish」を発表し、パフォーマンスの向上に取り組む姿勢を明らかにしました。SquirrelFishは現在WebKitのナイトリービルドに搭載され、先週には、SquirrelFish Extremeという、さらなる高速化を施したエンジンの発表も行っています。Acid3を完全に通ったという発表は、WebKitが動的な処理のパフォーマンスについても充分に向上したことを示したかったのでしょう。

新しいJavaScriptエンジンの採用は、WebKitだけではありません。たとえば、年末公開予定のFirefox 3.1には「TraceMonkey」という新しいエンジンが搭載されます。また、先日発表されたGoogle ChromeはWebKitを採用しながらも、JavaScriptエンジンについては独自の「V8」という仮想マシンを搭載しています。
OperaやInternet Explorerからではこのような発表はありませんが、既存エンジンの改良による向上は日々続けられていると考えてよいでしょう。動的処理の高速化は、現在どのベンダーも注力しているテーマなのです。

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2008年09月19日

HTML5の完成は2022年!?

フロントエンド・エンジニア 矢倉

海外ではHTML5の完成時期について、ちょっとした騒ぎになっています。

ことの発端は、HTML5のeditorであるGoogleのIan Hicksonが、TechRepublicのインタビューで「HTML5の完成は2022年ごろになる」と発言したことにあるようです。HTML WGのホームページにあるスケジュールでは、2010年9月の勧告とされているため、12年もの開きがあることに疑問を感じる人が多いようです。

しかしながら、2022年に勧告されるという見通しは、そこまで非現実的ではないように思います。

たとえば、CSS 2.1についても2002年の策定開始より6年以上経ち今もなお細かい詰めがおこなわれており、勧告は早くても2010年という予定です。HTML5は要素・属性の定義に加え、DOMの構成やインターフェース定義など、カバーする範囲がCSS以上に多岐にわたります。

また、そもそも2010年に勧告という予定についても無理があるように感じます。W3Cの仕様は、各機能に最低2つの実装がつかなければ勧告になることはありません。2007年から3年間の活動で、仕様の策定と実装の開始、完全実装を行うことは、現実的に不可能でしょう。

ただ、これは「2022年にならなければ実装が開始されない」ということではありません。HTML5が勧告候補となり、実装の開始を呼びかけられる段階になるのは2012年という予測をIanは語っています。

また、「勧告にならなければHTML5を使うことができない」わけでもありません。策定中の仕様であっても、きちんと考えることにより、今からでも利用することができます。

たとえば、CSS3セレクターなどは、対応していないブラウザーに対してはスタイルを適用することが出来ませんが、そのような環境に対してJavaScriptなどを補うことで対応が可能です。他のCSS3モジュールに関しても同様のことは可能であり、実装が進んでいるものについてはすぐにでも利用することができるでしょう。

また、XMLHttpRequestgetElementsByClassName()のように、実装されている機能から仕様を組み立てているものもあります。仕様がどの段階にあるかは、実装状況と必ずしも密接に関わっているわけではないのです。

HTML5の機能についてですが、canvasはInternet Explorerを除くモダンブラウザーですでに実装されており、またオフラインストレージ機能については、現在IE8を含め実装が進められています。要素についても、すこし手を加えなければならないものがありますが、section要素などレイアウトやUIを必要としないものについては、利用することもできるでしょう。

もちろん、古いブラウザーへの対応などもあり、現時点ではその利用が現実的ではないこともあるでしょう。しかし、CSS 2.1のように充分に利用できると判断できる状態であるなら、今のうちから使うことには問題ないように思っています。

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2008年09月18日

9月前半のW3C

フロントエンド・エンジニア 矢倉

RDFaが勧告提案に

9月4日に、RDFaの勧告提案が公開されました。大きな問題がなければ、年内にも勧告となるものと思われます。

CSS3のbackground/borderモジュール

9月13日に、CSS Backgrounds and Borders Module Level 3の最新草案が公開されました。3年半前の草案から、文法の変更などを含む大掛かりなアップデートとなっています。

CSS level 2からの変更点として、background系では、background-imageが複数画像の指定に対応したり、より細かな配置ができるようになるなどの機能追加が行われています。borderには、画像をborderとして配置できるborder-imageの追加や、角を丸めるborder-radiusの追加が行われています。

Access Control

9月12日に、Access Control for Cross-Site Requestsの新しい草案が公開されました。安全なクロスサイト通信を行うために、通信範囲を限定するためのHTTPヘッダーなどが定義されています。

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2008年09月03日

Googleのブラウザー「Google Chrome」がリリース

フロントエンド・エンジニア 矢倉

既にさまざまな媒体で伝えられていますが、Googleから「Google Chrome」というWebブラウザーのベータ版がリリースされました。

Google Chromeについて

Google Chromeはレンダリングエンジンに、SafariやAndroidで利用されているWebKitを採用したブラウザーです。また、JavaScriptの処理には独自に開発した「V8」という仮想マシンを利用しており、高速な処理が期待できるとされています。

ユーザーインターフェースについても、現在のWebやユーザーの行動を見直したうえで機能を定義しまとめたものとなっているとのことです。

利用してみた感想

インストールして少し使ってみましたが、動作やレンダリングがきびきびしており快適です。インターフェースについては、タブがロケーションバーの上に配置されていたり、新しいタブを開いたページなどがOperaを想起させるものの、随所にさまざまなブラウザーのいいとこ取りが行われています。革新的な機能やUIは備えていませんが、考えられ、洗練されている印象を受けました。

技術的な点ですが、利用されているWebKitのバージョンから、Safari 3.1と同等の性能を持っていることがわかりました。ただし、ベータ版のためかWeb Fontsなど、いくつかの機能は動作していないようでした。
とはいえ、スペック上のWeb標準準拠度はかなり高水準であるといえるでしょう。より新しいエンジンを採用したChromeのリリースに期待しています。

Chromeの意義

さて、なぜGoogleは今になってChromeという新たなブラウザーを発表したのでしょうか。これについて、ChromeのWebサイトに「ブラウザを作成した理由」という文書が公開されています。

私たちがオンライン上で費やす時間はますます増える傾向にあるということから、私たちは、もし、今ある最高の要素を取り入れたブラウザをゼロから開発できるとしたら、どのようなブラウザになるだろうか、とういことを真剣に考え始めました。ウェブは、シンプルなテキストのみのページばかりが提供されていた時代から、リッチでインタラクティブなアプリケーションへと進化を遂げています。これに伴い、私たちは、ブラウザを全面的に見直す必要があると考えました。特に、今本当に必要とされているのは、単なる「ブラウザ」ではなく、ウェブページやアプリケーションに対応した最新の「プラットフォーム」なのだということを念頭に開発を始めました。

Googleはこれまで、Gmailに代表されるWebアプリケーションなどの開発、また公開しているWebサービスのAPI提供を通じて、Webのプラットフォーム化に取り組んできていました。今回、Chromeをリリースしたのは、そのWebにアクセスする手段をもプラットフォームの一部として取り込みたいという意図があったのではないかと考えています。

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2008年09月02日

8月後半のW3C

フロントエンド・エンジニア 矢倉

8月前半については、「8月前半のW3C」をご覧ください。

POWDERが最終草案に

複数のリソースをグループ化し、メタ情報を付加するPOWDER (Protocol for Web Description Resources)の各仕様が、8月15日に最終草案として公開されました。

また、POWDERの目的や使い方などを解説した入門文書“POWDER: Primer”の草案も新たに公開されました。

Web IDL

8月29日に、Web IDLの草案が公開されました。

WebIDLとは、DOMなどWeb技術用に特化したインターフェース定義言語です。OMG IDLの構文をベースに、ECMAScriptとのバインディングや、処理の手順を細かく記した仕様となっています。ECMAScript実装の相互運用性を高める目的で策定されており、HTML5やWeb Applications WGが公開する仕様で、既に利用されています。

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