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XML 1.0 Fifth Editionが勧告に

2008年12月2日
フロントエンド・エンジニア 矢倉

11月26日に、XML 1.0 Fifth Editionが勧告されました。第五版という位置づけではありますが、今回の改訂は、これまでの版とは異なり、大きな変更が行われています。

ひとつは、名前文字に関する制限の緩和です。これにより、これまで利用できなかった文字が要素名や属性名に利用できるようになります。この緩和はXML 1.1で行われていましたが、今回の変更により、XML 1.1の機能が一部、XML 1.0にバックポートされたかたちになります。

もうひとつは、互換性に関する変更です。これまでのXML 1.0では、version="1.0"以外のバージョン番号を許していませんでしたが、第五版からは「1.xと書かれている場合、XML 1.0プロセッサーはその文書をXML 1.0として処理する」と変更されています。これにより、これ以降のバージョンのXMLを、1.0のプロセッサーが分かる範囲で処理することが可能となります。

既存のXML 1.0文書が、第五版に対応したプロセッサーで処理できないという事態は基本的に起こりません。しかしながら、新たに許可された文字を使ったり、version="1.5"などと記述された、fifth editionに準拠したXML文書は、これまでのXMLプロセッサーではエラーとなってしまいます。

非互換を起こしてまで変更を行ったことに対して「XML 2.0と言い換えるべき」「そのままでいいんじゃないか」といった批判もあれば、「漸進的にXMLを進めるための第一歩だ」といった賛同もあるようです。

この変更は、XHTMLやフィードなど限定的な範囲でしかXMLに関わることのない、私たちWeb制作者にとって、影響が大きいものではないでしょう。しかし、XMLが関連する技術は多岐にわたります。XMLに深く関わっている方にとっては、第五版での変更は見逃せないもののようです。