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2008年9月19日

HTML5の完成は2022年!?

フロントエンド・エンジニア 矢倉

海外ではHTML5の完成時期について、ちょっとした騒ぎになっています。

ことの発端は、HTML5のeditorであるGoogleのIan Hicksonが、TechRepublicのインタビューで「HTML5の完成は2022年ごろになる」と発言したことにあるようです。HTML WGのホームページにあるスケジュールでは、2010年9月の勧告とされているため、12年もの開きがあることに疑問を感じる人が多いようです。

しかしながら、2022年に勧告されるという見通しは、そこまで非現実的ではないように思います。

たとえば、CSS 2.1についても2002年の策定開始より6年以上経ち今もなお細かい詰めがおこなわれており、勧告は早くても2010年という予定です。HTML5は要素・属性の定義に加え、DOMの構成やインターフェース定義など、カバーする範囲がCSS以上に多岐にわたります。

また、そもそも2010年に勧告という予定についても無理があるように感じます。W3Cの仕様は、各機能に最低2つの実装がつかなければ勧告になることはありません。2007年から3年間の活動で、仕様の策定と実装の開始、完全実装を行うことは、現実的に不可能でしょう。

ただ、これは「2022年にならなければ実装が開始されない」ということではありません。HTML5が勧告候補となり、実装の開始を呼びかけられる段階になるのは2012年という予測をIanは語っています。

また、「勧告にならなければHTML5を使うことができない」わけでもありません。策定中の仕様であっても、きちんと考えることにより、今からでも利用することができます。

たとえば、CSS3セレクターなどは、対応していないブラウザーに対してはスタイルを適用することが出来ませんが、そのような環境に対してJavaScriptなどを補うことで対応が可能です。他のCSS3モジュールに関しても同様のことは可能であり、実装が進んでいるものについてはすぐにでも利用することができるでしょう。

また、XMLHttpRequestgetElementsByClassName()のように、実装されている機能から仕様を組み立てているものもあります。仕様がどの段階にあるかは、実装状況と必ずしも密接に関わっているわけではないのです。

HTML5の機能についてですが、canvasはInternet Explorerを除くモダンブラウザーですでに実装されており、またオフラインストレージ機能については、現在IE8を含め実装が進められています。要素についても、すこし手を加えなければならないものがありますが、section要素などレイアウトやUIを必要としないものについては、利用することもできるでしょう。

もちろん、古いブラウザーへの対応などもあり、現時点ではその利用が現実的ではないこともあるでしょう。しかし、CSS 2.1のように充分に利用できると判断できる状態であるなら、今のうちから使うことには問題ないように思っています。