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2006年7月28日

Dave Shea氏インタビュー(後編)

フロントエンド・エンジニア 木達

Dave Shea氏インタビュー(前編)のなかでは、氏の自己紹介であるとか、CSS Zen Gardenの生い立ちについてのお話をご紹介しました。これに引き続き、今回はミツエーリンクスVideocastingMeet the Professionals ~ Dave Shea (後半)で公開されているインタビューでのやりとりの日本語訳(字幕として含めているものとは若干異なります)を掲載します。

木達:既にCSS Zen Gardenは、WebデザインにとってCSSがどれほど便利な道具であるかを示すことに成功していると思います。今後サイトはどこへ向かっていくのでしょうか?何かプランをお持ちですか?

Dave:現在、私のもとには多数のデザインが寄せられており、サイト上への掲載を検討する必要がある300近くものデザインを抱えています。ですから、その検討がまずやるべきことになりますね。

木達:数えたことがありますが、今では800以上ものデザインが掲載されていますよね?

Dave:おそらくサイト上には1,000弱が掲載されていたと思います。更新を続けるなかでもしデザインをすべて掲載していたなら、確実に1,000は超えていたでしょう。新しい作品は日々寄せられています。投稿されたデザインを評価するのに要する時間は、日々増え続けているのです。ですから、まず最初にその評価をやり遂げるべきですが、多くの人々はZen Gardenとは別に、私たちがCSSに対して行ってきたことをたとえばJavaScriptやCMS、あるいはモバイル機器向けに行うといったことに興味を抱いています。モバイルというのは、つまりモバイル機器向けのCSS Zen Gardenをということですが……。

木達:ええ。

Dave:今、もっとも人気があるのがそのアイデアです。いくつかのアイデアに興味はありますが、たとえばサイト全体に複数のレイヤーが存在するCMSを用いたサイトのような異なる対象に対し、Zen Gardenに用いたモデルがそのまま適用できるかはわかりません。誰もがそのようなページ群に対してスタイル付けをしたいと思うでしょうか?それが理にかなっているのか、皆さんが新しいアイデアを示すべきなのか、私にはわかりません。モバイルCSSデザインについて、私は日本における状況を知りませんが……。

木達:状況は大きく異なると思いますよ。

Dave:そうでしょうね。とにかく北米では、あらゆる種類のモバイル機器がいずれも異なるブラウザを搭載しており、そのひとつとしてCSSを解釈しない、ということが大きなフラストレーションになっています。そういうわけで、もし北米でモバイル向けのZen Gardenを開設しようと思っても、ヨーロッパでも少なからず同様かもしれませんが、ベースラインの類を定めることができないでしょう。それらのなかで標準的なレンダリングというものは存在しないのですから。CSS Zen Gardenが人気を博したのは、ブラウザの種類が異なっても同じようにCSSで描画されたからでした。しかしモバイル機器に関してはそのような状況には無く、ゆえにそのアイデアが機能するとは思いませんし、違う何かを行わなければならないだろうと思います。基本的なコンセプトはそのままに、異なるテクノロジー向けに作るというような、別のアイデアが考えられます。でも、それをすぐさま実行に移すような計画はありません。そういうことに興味がある人たちに対し、ただお話をしてきたに過ぎません。

木達:わかりました。最優先事項というのはその300デザインに目を通すということなのですね。

Dave:もちろん。

木達:では、もし私が自分のデザインを今この瞬間に投稿したとしたら、どれぐらい待つことになるのでしょう?

Dave:長い時間、数ヶ月でしょうか。

木達:数ヶ月も!

Dave:ええ、時間がかかるのは良くないことですが、しかし私はこれをやり遂げなくてはなりません。ご存知のように、デザイナーにとって作品を応募し結果をずっと待ち続けるというのはなんとも辛いものです。しかし同時に、私はこのサイトの運営を通じて収入を得ているわけではありません。CSS Zen Gardenを私が更新するのは、サイトに取り組む時間ができたときであり、つまりカンファレンスに参加したりどこかで忙しくしているときは無理ということを、ご理解いただきたいと思います。

木達:次に、Mollyさんとあなたが書いた書籍「The Zen of CSS Design」の話をしましょう。ここに私が購入したものを持参しています。CSS Zen Gardenに関する本が出版されるというのは、本当に素晴らしいことだと思います。というのも、ご存知のように、サイト自体が実に多くの教育的側面を備えているからです。あなたもしくはMollyさんにとって、この本のアイデアはどのように生まれたのでしょうか?

Dave:この本のアイデアが生まれる前から、私はMollyと書籍の執筆について話をしていたと思います。彼女は私のキャリアの早い時期に影響を受けた多くの本の著者であり、10年間かそれ以上の長いあいだ、執筆活動を続けています。私がWebデザインの世界へと引き入れた本を書いたのが、彼女でした。そして私たちは、もし共同で一冊の本を書くことができたらそれは素敵なことだろうと思ったのです。お分かりのように、それは一種の循環となりますから。そんなわけでしばらくの間、私たちはその実現を話し合っていたのですけど、あるときMollyがカリフォルニアで開催されたカンファレンスに参加したときだったと思います、出版社であるNew Ridersの担当者が彼女に本のアイデアを求めてコンタクトを取りました。そして彼女は、何かしらの実現可能性について私と話をしていたことを紹介し、また私がCSS Zen Gardenを運営していたことも話しました。そして「CSS Zen Gardenについての本なんてどうだろう?」というアイデアが生まれたのです。最終的にNew Ridersが本書の出版社となりましたが、時を同じくしてほかにも2社が、CSS Zen Gardenについての本の話を持ちかけてきていました。本を一緒に書くということについては、それを必然と呼べるまでに関心が高まっていましたから、あとは単に私たちが一緒に仕事をしたいと思う出版社を選ぶだけでした。

木達:書籍のなかで、日本人デザイナーの河内さんが投稿したものがありますね。彼は私の友人であり、また尊敬もしています。彼のデザインが掲載れたことは驚きであり、また誇らしくもあります。私も彼と同じ日本人ですからね。どのような理由から、あなたがたは彼のデザインを選んだのでしょうか?それともMollyさんが選んで……?

Dave:掲載するデザインは、Mollyと私の二人で選んだと思います。河内さんのデザインは素晴らしい作品ですから、それを本書に掲載したことを誇らしく思っています。このデザインには、私たちが取り上げて言及することのできる多くが含まれていました。解説することは比較的容易なデザインでしたが、そこには取り上げることのできる実に多種多様なアイデアが含まれていましたので、特定の、ただひとつのアイデアにフォーカスせざるを得ませんでした。この白と緑を基調としたデザインは、とても自然的な感覚を備えた美しいデザインなので、二人とも気に入りました。本書で取り上げたデザインのなかでもとりわけ優れたもののひとつであり、掲載は必然的ですらありました。

木達:では、これが最後の質問になると思います。今私は、この本の日本語版の出版に、翻訳内容をチェックする技術監修という立場で携わっています。順調にいけば、7月か8月には発売されると思います。日本にいるWebデザイナーや開発者の皆さん、特に本書の日本語版を読むことになるであろう方々に対して、コメントをいただけますか?

Dave:この本に興味を抱く人というのは、おそらくCSSとデザイン原則の双方に興味がある人ではないでしょうか。この本はインスピレーションを得るのに適しているでしょう。というのも、本書は世界中から多くの異なる人々が集い、貢献したものだからです。素敵な見栄えの作品を多く載せていますから、たとえ本文がつまらなかったとしても、少なくとも視覚的には訴えかけるものがあると思います。CSSを少しは知っているけれどもっと知りたい人、そしてデザインを学んでいるけれどより深く学びたい人には特に、本書で扱っている知識は有益ではないでしょうか。そういう人向けには優れた一冊ですので、本書がお役に立てることを期待しています。好評をいただけるなら、素晴らしいことだと思いますし、日本語版を目にするのが本当に楽しみです。

木達:わかりました。1冊お送りすることを約束しますよ。

Dave:ありがとう、嬉しいですね。

木達:質問は以上です。インタビューに答えてくださり、ありがとうございました。

Dave:ありがとう。良いインタビューでした。

木達:ありがとうございます。