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2006年7月28日

Dave Shea氏インタビュー(前編)

フロントエンド・エンジニア 木達

CanadaのVancouverでデザインスタジオ「Bright Creative」を営むWebデザイナー、Dave Shea氏はCSS Zen Gardenを立ち上げた人物としてよく知られています。CSS Zen Gardenを題材に、デザイン原則やCSSテクニックを解説した書籍「The Zen of CSS Design」の日本語訳が、いよいよこの夏に発売される予定で、筆者はその監修を担当させていただいています。

これを記念し、先月Londonで開催されたWebデザイン/開発のカンファレンス・@media 2006に参加した際、同イベントで講演するため渡英していたDave氏にインタビューを行いました。その模様はミツエーリンクスVideocastingMeet the Professionals ~ Dave Shea (前半)で公開中ですが、本エントリでは会話の日本語訳(字幕として含めているものとは若干異なります)を掲載します。

木達:そういうわけで、とにかく、このVideocastingに参加していただきありがとうございます。これを見る人の多くは、既にあなたのことを知っているか、世界で最も活躍しているWebデザイナーの一人として、少なくとも名前はご存知だと思います。手短に自己紹介をお願いできますか?

Dave:自分はWebデザインに10年ほど携わってきました。

木達:10年も?

Dave:ええ、プロとしてはもう少し短いですが、趣味としてやっていた時期も含めると、まぁ、ほぼ10年間ですね。今現在は、カナダのバンクーバーでクリエイティブスタジオを営んでいます。たった一人のスタジオで、つまり自分一人でさまざまなクライアントのために仕事をしています。今年に関していうと講演の仕事が多く、たとえば今回のように@mediaのためにロンドンに来ているというわけです。

木達:世界中でたくさんのカンファレンスに参加する、と?

Dave:はい、そうです。

木達:日本には来ないのですか?

Dave:これまでのところ日本からは一度も依頼をいただいてませんから。もし何かカンファレンスが催され、それに招待していただけるのであれば、可能性はありますが。

木達:自分は招待したいと思っているのですけど……わかりました、今度考えてみます。

Dave:是非とも。あなたからの招待状を受け取ったなら、ご一緒しますよ。

木達:わかりました。さて、私たちは今、ロンドンにいますね。とても規模の大きい、魅力的なWebデザインに関する@mediaという名のカンファレンスがその理由です。あなたはタイポグラフィに関する講演を行ったほか、CSSについてのパネルディスカッションに参加しています。今年の@mediaはいかがでしたか?つまり、楽しめましたか?あなたの講演やパネルは、どの程度成功を収めたとお考えでしょう?

Dave:カンファレンスそのものは、とても良かったと思います。多くの博識な講演者たちが参加していましたから。カンファレンスに出向いたからといって新たな知見を豊富に得られるとは期待していないのですけど、こと@mediaに関して言えば、確かにそれまで知らなかったことを学んだのです。そういうわけで、このイベントは私にとっては素晴しいものでした。私の参加したCSSのパネルについては、スムーズに進行しましたし、そのことを嬉しく思っています。

木達:多くの参加者が発言していましたね。

Dave:はい、カンファレンスに参加している人々とのあいだで多くのやりとりがありました。質問を多数いただきそれらに回答しましたが、会場からは建設的なアドバイスが寄せられ、そのなかから私はいくつかのことを学びました。私はそういったやりとりが、パネルを良いものにしてくれたと思っています。タイポグラフィに関する私の講演は、スライドや資料をお見せしながらの1時間お話するという、より典型的なスタイルのものでしたが、良かったと思います。しかしどちらかというと、CSSのパネルのほうが、確実に受けが良かったように思っているので、より良い印象を抱いています。パネルに参加した誰もが、何かしら新しいことを学んだと思いますし、またそれを本当に嬉しく思います。

木達:css Zen Gardenの話題に移りましょう。今や日本の多くのデザイナーや開発者は、あなたの運営している素晴しいサイトのことを知っています。いつ、そしてなぜサイトを開設したのでしょう?

Dave:私がサイトを開設したのは2003年に遡ります。それは、CSSを使ってWebデザインをしている人はみな四角張ったレイアウトを生み出していると主張する多くの人々へ対する回答でした。四角張ったレイアウトとは、つまりグラフィックデザインを考慮していないようなレイアウトのことです。私はグラフィックデザインを学んできましたし、いくらかの知識も持ち合わせていましたから、デザインワークを行っていた人たちと共に、そういう風潮を打破できると考えました。私たちは見栄えの良いCSSデザインを生み出すことができる、と。当時はそれを行うべき人々、つまりデザイナーのことですが、彼らはCSSで何ができるのかを知らなかったために、誰もそれを実行していなかったのです。そこで私は、私たちにとってデモサイトが必要だ、考えました。私はコンテストの類は運営したくありませんでした。与えることのできる賞品を持っていませんでしたからね。なので、デモサイトは公募のために開設し、誰でもデザインを私に送ってもらえるようにして、もし私が気に入ればサイトに掲載しよう、と考えました。そのアイデアが、実際のサイトの基になりました。私がサイトを開設するきっかけを作ったのは、それだけではありません。北米と、それにヨーロッパでも刊行されていると思いますが、"Wired"という雑誌があります。その雑誌はオンラインリソースも持っていて、そのひとつに検索エンジンがありました。その検索エンジンについて、CSSでスタイル付けを行うコンテストがあり、私も参加しようとしたものの、課せられた制約やスタイル付けすることのできる対象に不満を抱きました。それによって私は、フレキシブルな文書を作成するより良い方法があることを確信しました。Zen Gardenのマークアップが、見栄えを好きにできるよう高いフレキシビリティを提供しているのは、その結果です。そのようなフレキシビリティを持たせたのは、私がWiredのコンテストを通じて、そうするための方法を知ったからです。またその頃、CSSを採用した大規模サイトが登場し始めました。"Wired"のメインサイトであるwired.comがWeb標準ベースでリニューアルされ、またほかにもいくつかの北米でメジャーなサイトがCSSでもってリデザインされたのです。私は、伸びつつあったその種のトレンドに対して、私自身貢献したいと考えました。それがcss Zen Gardenのアイデアの由来です。