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Web標準Blog

Web標準Blogでは、Web標準の利用に興味のあるWebサイト管理者、Webデザイナーの方向けに、Web標準を利用するための手法やノウハウ、参考になるリソース等を、国内外を問わずご紹介します。

2006年6月2日

質の高い教育について

フロントエンド・エンジニア 木達

2006年5月24日
Holly Marie Koltz著

(この記事はWeb Standards Project(WaSP)における投稿記事「On Quality Education」を翻訳したものです。当Blogは翻訳の正確性を保証いたしませんので、必要に応じ原文を参照ください。)

「Web開発(またはWebデザイン)に関して優れたプログラムを提供している大学は、どこですか? 」これはメーリングリストやフォーラム、あるいは会話のなかでよく聞かれる質問です。その答えを知りたい人も多いと思います。

どこに行けばよいのか?

質の高いプログラムを見つけることは、なかなか大変です。こうしたコースを探している学生は、よく教育プログラムの選択肢について尋ねます。彼らは、他の人の経験を信じたほうが良いと考える傾向があるようです。実際の体験談は通常、多くの教育機関について、肯定的とはいえない話ばかりです。多くの場合、今日においてすら、学生は教育プログラムや学位課程ではなく、独学でWeb標準やベストプラクティスを習得しなければなりません。また作業、課題またはプロジェクトでそれらを使用することを学生に薦めない教育機関も多いようです。

これは酷い、誤った状況です。

Lars Gunther:教育改革の推進者

ここ数ヶ月、Lars Guntherは、WaSP EduTF(Education Task Force、教育タスクフォース)と連絡を取り合い、スウェーデン教育庁であるSkolverketへの手紙を作成しました。この手紙は、ギムナジウム宛てに書かれています。ギムナジウムとは、アメリカの高等学校にあたり、大学の予備教育機関になります。手紙の文書は、スウェーデン語と英語で作成されており、教育プロセスに携わる関係者に、ベストプラクティスやWeb標準に関する指導を含めることを求めています。 Larsは、インターネットまたは教育に関する20のスウェーデンの雑誌に対し、プレスリリース(スウェーデン語)を投稿しました。

456 Berea StreetのRoger Johanssonは、「A letter from WASP-EduTF to Skolverket(WASP-EduTF からSkolverketへの手紙)」の中で、Larsと文書について書いています。記事に寄せられたコメントの内容は珍しいものではありませんが、質の高いWeb内容を教えることができないプログラムの多くについて書かれており、一読の価値があります。私の目に留まったのは Robert dMからのものです。

ベルギーでも状況は変わらないと思います。最近phpコースを検討しましたが、そこではhtmlコースもあり、いまだに「フレームによるサイト構築」や「テーブルによるサイト構築」を推奨し、CSSには全く触れていないので、興味を失いました。このため、私はphpコースの質はいかがなものかと考え、お断りしました。

別の投稿者は、インストラクターがW3Cとは何かをわかっているようにみえないと言い、別の投稿者はインストラクターとのやりとりを次のように回想しています。

やっとサイトの作成が終わり、わりと大きなプロジェクトなので、このサイトのコードに高得点がもらえるとちょっぴり期待しました。先生は何を言ったと思いますか?彼は、「高い点はあげられないよ。君のHMTLはちょっと変わっていて、コードがどこにあるかわからない」とおっしゃったのです。私は、構造と表現を区別したかったので、別の「コード」はCSSドキュメントの中にあると説明しました。「そうか・・・いつも2つのウィンドウ(HTMLとCSS)を開いていなければならないから必要ないよ。」と彼は言いました。 この時まで、彼は少し尊敬できる唯一の先生だったのに・・・

私たちは改革を進めなければなりません。

学生は何ができるのか?

プログラムを探している人、受講している人、修了した人にかかわらず誰でも、教育機関に働きかけることができます。

もしあなたが質の高いプログラムを知っていたら、ぜひそれを広めてください。そしてWaSP EduTFにもお知らせください。

教育機関が知るべきこと

大学入学前や大学のプログラムに参加する前に、Web標準やベストプラクティスを意識する学生が増えるにつれ、プログラムの内容をじっくり検討し、教育の選択肢を調べる人が増えてきます。教育機関は、学生が求めるもの、必要とするものを提供しなければ、学生はよそに行ってしまいます。学生は、何年もメーリングリストやフォーラムで良い選択肢は何かを探しています。Web標準コミュニティは、標準以下の教育問題をきちんと認識しています。今年は 2006年ですから、1996年のプラクティスやメソッド、あるいは昔の内容を教える必要はありません。学位を取得し教育を受けるためにお金を払っている学生は、質の高い教育を受けるべきです。

医学、エンジニアリング、芸術または他の多くの学位を目指す学生は、大学を探す時、質の高いプログラムで有名な大学、雇用関係者から評価の高い大学に入学したいと考えます。医学部が学生に時代遅れの内容やプラクティスを教えるでしょうか?他の分野やキャリア・プログラムでそのようなことがありますか?

教育専門家は、最新の知識やスキルを身につける必要があり、それらを習得した専門家は、プログラムを変更したり、教材を改訂する能力を備えていなければなりません。管理責任者や学部はこうした改革をサポートし、さらに奨励しなければなりません。教育機関はインストラクターのこうした努力を支援するべきです。

雇用者も支援できる

当然、多くの求人では、関連分野での教育や学位よりも、習得した知識、スキルや経験が優遇されます。これも、教育システムをそのまま反映し、雇用側も多くの教育プログラムが十分でないことを認識している可能性があります。

学生のインターンを受け入れたり、学生を採用する雇用者は、時間をかけて関連する教育機関に知識やスキル、トピックが不十分であり、プログラムに何が足りないかを伝えることもできます。

まとめの言葉

質の高い教育を提供する教育機関を見つけたり、薦めることは、難しい状況です。私たち全員が、この問題に取り組まなければなりません。申込あるいは入学する学生であっても、コースやプログラムを修了した人も、インターンを採用または教育する人も、あるいは人から意見を求められ薦める場合でも、教育機関に私たちの意見を伝える必要があります。教育機関が強力なメッセージを受け、学生や他の人からフィードバックを与えられない限り、状況は変わらないでしょう。

Lars GuntherがスウェーデンのSkolverketへの手紙を書こうとしたきっかけは、彼の不満であり、EduTFは彼の意見に同意しています。

しかし、最も重要なことは、教育が基礎を提供し、これにより間違ったメソッドを教えられたために、学生が勉強をやり直したり、再教育しなければならないことをなくすことです。学校は過去の行き止まりではなく、未来の高速道路の入口であるべきです。

スウェーデンのギムナジウムのような学校がWeb標準やベストプラクティスを教えるようになれば、教育を継続する学生は、大学の質の高いプログラムの選択肢が必要になります。選択肢が多いことは、望ましいことです。学生は、良い評価や学位を取得するために、Web標準やベストプラクティスを忘れようとしなくてもよいのです。