2011年12月のW3C
Geolocation API Level 2, DeviceOrientation
12月1日付で、Geolocation WGから2仕様の草案がLast Callとして公開されました。
Geolocation API level 2はGeolocation API仕様の拡張仕様で、住所を取得するAddressインターフェースが追加されています。DeviceOrientation Eventはデバイスの傾きや加速度などに関するインターフェースを定義しています。
Geolocation APIは初めての草案ですが、Last Callとなっています。追加される機能が少ないことや、数年前からEditor's Draftのかたちで存在していたことがいきなりのLast Callに繋がっているのでしょう。
Media Fragments URI 1.0
Media Fragments WGが策定するMedia Fragments URI 1.0仕様が、12月1日付で勧告候補となりました。
Media Fragments URIは、画像やビデオなどのメディアリソースのURIについて、画面上の領域や時間の一部をフラグメント識別子から表す仕組みです。
仕様で定義されているTemporal dimensionというフラグメントでは、ビデオや音声ファイルの一部分を、そのURIから指定できます。
<video src="nevergonnagiveyouup.webm#t=43,60">...</video>
このようにメディアファイルに特別なフラグメント識別子を与えることで、「43秒から60秒まで」といった範囲を指定できます。昨年12月20日にリリースされたFirefox 9で一部実装されており、利用できます。
Media Fragmentsには他にも画像の一部を指定するフラグメントなども定義されていますが、いまのところ実装はありません。
CSS3関連3草案
12月6日付で、新しいImage Valuesモジュールの草案が公開されました。
昨年紹介したradial-gradient()
の構文変更も反映されています。
12月13日付で、CSS Exclusions and Shapesモジュールの草案が公開されました。
12月15日付で、CSS 2D Transformsの草案が更新されました。
今後はSVG WGとの合同タスクフォースであるFXTFでの作業となり、CSS 3D Transforms, SVG Transforms仕様と統合されることもあり、仕様書に注釈が加わっています。
WebSocket API, Web Storageの勧告候補
12月8日付で、WebSocket APIとWeb Storageが勧告候補として公開されました。
WebSocketのプロトコル仕様については、昨年末にRFC 6455として発行されています。
Touch Events 1の勧告候補
12月15日付で、Web Events WGからTouch Events version 1仕様の勧告候補が公開されました。
Audio WGから3仕様が公開
12月15日付けで、Audio WGから音声処理に関する仕様の草案が3つ公開されました。
仕様書の名前を見ると、3つの音声関連API仕様が策定されているように見えますが、最初のAudio Processing APIについては今のところ、Web Audio APIとMediaStream Processing API仕様を簡単に比較した文書となっています。
Web Audio APIはGoogleが提案したもので、Chromeで試験実装が行われています。MediaStream Processing APIはWebRTC仕様やMozillaの拡張であるAudio Data API、そしてWeb Audio APIを参考に作られた新しい仕様とのことです。