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見出しを使わないサイトが58.5%!?

2009年5月21日
フロントエンド・エンジニア 矢倉

Operaでは昨年より、MAMAと呼ばれるWebサイトの調査の結果を発表しています。

さて、一昨日にOpera Developer Networkで公開された、MAMAの新しい調査に関する記事が興味深かったので、ちょっと紹介したいと思います。

見出しの利用に関する統計

ページの見出し(h1-h6)がどのように使われているのかを調査したようですが、かなり面白い結果がでています。

記事のタイトルにもしましたが、見出しがそもそも使われていないページが多いことに驚きました。しかし、これは現在の傾向を必ずしも反映したものではないでしょう。

Open Directory Projectから多くのソースを得ているようです。このプロジェクトは10年ほど前からスタートしているので、数は多いものの、古いサイトへのURLも多数含まれています。

「Web標準前夜」のサイトでは見出しの利用はあまりされていなかったでしょうし、それがこの58.5%という数字に結びついているのではないでしょうか。過去5年、または過去3年に限定したソースであれば、この数値はもっと下がるのではないかと思います。

img要素のalttitle属性

画像の属性についても、3点ほど調査されています。

altの指定されていない画像が、全体の四分の一近くあるようです。そこまで「多い」とも思いませんでしたが、こちらも過去3~5年であれば、低くなるのではないかと思います。

さて、15%もの要素にtitleが指定されていることに関して、著者は「おせっかいなアクセシビリティではないか」といの懸念を持っているようです。titlealtに同じ内容が記述されている画像をたまに見かけることがありますが、あまり目的のある使われ方ではない印象を受けます。

さて、altが指定されているとはいえ、その値が適切なものかどうかは判断がつきません。「書いてあるから良い」というわけではないので、数字だけで判断するのもよくないですね。

tablesummary

最後は、tablesummaryです。

たった2.4%ですが、なかなか使われているのだなあと思いました。ただし、これもaltと同じように、内容が適切なものであるかは分かりません。

なお、「レイアウト」といったsummaryの使い方については、WCAG 2.0では否定的な見解がなされています。

今後の展開

今回のエントリーは「プレビュー」というかたちだそうで、今後はより深い考察や、国別に分かれたデータも登場するようです。Open Directory Projectが持つ日本のサイトはデータがあまり更新されていないようなので、結果のバイアスが気になるところですが、それでも面白い結果が現れるかもしれませんね。