見出しを使わないサイトが58.5%!?
Operaでは昨年より、MAMAと呼ばれるWebサイトの調査の結果を発表しています。
さて、一昨日にOpera Developer Networkで公開された、MAMAの新しい調査に関する記事が興味深かったので、ちょっと紹介したいと思います。
見出しの利用に関する統計
ページの見出し(h1
-h6
)がどのように使われているのかを調査したようですが、かなり面白い結果がでています。
- 見出し要素が利用されていない:58.5%
h1
が複数あらわれている:7.9%- 最初の見出しが
h1
ではない:16.1% - 見出しのレベルが飛んでいる:11.3%
- 見出しのレベルに順序がない:7.1%
記事のタイトルにもしましたが、見出しがそもそも使われていないページが多いことに驚きました。しかし、これは現在の傾向を必ずしも反映したものではないでしょう。
Open Directory Projectから多くのソースを得ているようです。このプロジェクトは10年ほど前からスタートしているので、数は多いものの、古いサイトへのURLも多数含まれています。
「Web標準前夜」のサイトでは見出しの利用はあまりされていなかったでしょうし、それがこの58.5%という数字に結びついているのではないでしょうか。過去5年、または過去3年に限定したソースであれば、この数値はもっと下がるのではないかと思います。
img
要素のalt
とtitle
属性
画像の属性についても、3点ほど調査されています。
img
にtitle
属性がある:15.3%alt
が指定されている:75.1%alt
とtitle
が両方指定されている:13.6%
alt
の指定されていない画像が、全体の四分の一近くあるようです。そこまで「多い」とも思いませんでしたが、こちらも過去3~5年であれば、低くなるのではないかと思います。
さて、15%もの要素にtitle
が指定されていることに関して、著者は「おせっかいなアクセシビリティではないか」といの懸念を持っているようです。title
とalt
に同じ内容が記述されている画像をたまに見かけることがありますが、あまり目的のある使われ方ではない印象を受けます。
さて、alt
が指定されているとはいえ、その値が適切なものかどうかは判断がつきません。「書いてあるから良い」というわけではないので、数字だけで判断するのもよくないですね。
table
のsummary
最後は、table
のsummary
です。
summary
が利用されている:2.4%summary
の値が「レイアウト」など、レイアウト目的であることを示す:1.7%
たった2.4%ですが、なかなか使われているのだなあと思いました。ただし、これもalt
と同じように、内容が適切なものであるかは分かりません。
なお、「レイアウト」といったsummary
の使い方については、WCAG 2.0では否定的な見解がなされています。
今後の展開
今回のエントリーは「プレビュー」というかたちだそうで、今後はより深い考察や、国別に分かれたデータも登場するようです。Open Directory Projectが持つ日本のサイトはデータがあまり更新されていないようなので、結果のバイアスが気になるところですが、それでも面白い結果が現れるかもしれませんね。