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新CSS WGは何を出す?

2009年1月20日
フロントエンド・エンジニア 矢倉

CSS WGのメンバーであるfantasaiが、新しいCSS WGの活動計画と各CSS仕様のステータスについて、“CSS Working Group Charter 2008”という記事を書いています。

新しいCSS WG

新しいCSS WGの活動内容は、CSS WGの憲章で決められています。活動期間は2010年11月までの2年間となっており、今回のエントリはこの2年間で勧告する、あるいは推し進めていく仕様についてをまとめています。

仕様については「仕様をケアしてくれる人の存在」と「仕様の実装に強い興味を持つ、実装者がふたつ以上ある」という点から優先度を割り振ったとしています。このうち、High Priorityとされている仕様は次の通りです。

CSS 2.1

CSS 3のベースになるCSS 2.1は「99%安定している」ようです。しかし、仕様にある細かな問題や、テストケースの大きさなどが勧告までに残る問題とのこと。Microsoftが大量のテストケースを寄贈していることもあり、当初の予想よりは早くなっているようです。

Selectors Level 3

仕様も早くに安定し、テストスイートもそろい、実装も充分な状態に達したと判断されています。仕様書をすこし書き直す必要はあるものの、勧告までにそう時間はかからないとされています。

CSS Namespaces

実装が10年近く前から存在している珍しいCSS3モジュールです。完成しており、勧告に向けて進むだけという状態のようです。

CSS Color Level 3

rgba()hsl(), opacityなどの色に関する機能を定義したモジュールですが、テストケースおよび実装もそろっています。実装レポートがそろえば勧告に進むことができるとのことです。

CSS Snapshot 2007

上記4つの仕様をプロファイルとしてまとめたのがこの文書です。それぞれの仕様の進み具合に依存するわけですが、実質的には「CSS 2.1待ち」という状態でしょう。

CSS Mobile Profile 2.0

モバイルコミュニティが取り仕切っているようで、CSS WGとしては特に動いていないようです。

CSS Backgrounds and Borders Level 3

CSSに求められている機能のほとんどは、このCSS3モジュールで定義されています。実装も試験的なものですが少しずつ進んでおり、仕様としても近いうちに最終草案として公開されるとのことです。テストスイートや実装が今後の課題となってくるでしょう。

Media Queries

実装が複数登場しており、またテストスイートについても作成中という段階です。すぐに勧告されるとはかかれていませんが、2年以内に勧告されないことはまず無いと考えているようです。

CSS Paged Media Level 3

Webデザインの分野においてはほとんど注目されていない印刷用スタイルシートですが、PDFや印刷機器関連のベンダーが注力しているようで、MLでも活発に議論がなされています。他の仕様ほど進んではいないものの、HPがかなり注力しているとのことです。

CSS Object Module View Module

offeseWih4hなど、スクリプトで利用されているインターフェースについても標準化が検討されています。しかしこれらのプロパティは実装されているものの、相互運用性がない状態です。勧告については、どのように相互運用性を高めていくかによるとされています。

CSS Variables

WebKitで実装された際に大きな注目をあつめたCSS Variablesですが、ゼロからのスタートということで、どのくらい進むかはわかっていません。WG内でも構文や要件に対する意見が分かれていることから、WebKitの実装も無効にされています。

ここでは触れられていませんが、WebKitのCSS TransformsやCSS TransitionsなどもCSS WGで今後策定していくことになっています。Web FontsやSVGなど視覚表現の強化がブラウザーで進む今ですから、CSS3のサポート向上についても期待したいですね。