ディズニー・ストア・イギリスへの公開書簡
2005年11月3日
Molly E. Holzschlag著
(この記事はWeb Standards Project(WaSP)における投稿記事「An Open Letter to Disney Store UK」を翻訳したものです。当Blogは翻訳の正確性を保証いたしませんので、必要に応じ原文を参照ください。)
ディズニー・ストア・イギリス様
私は直接あなた方のサイトのフィードバックページにこの手紙を書くべきでしたが、Accessデータベース上でエラーが発生してしまいます。 電子メールもまた、機能していないようです。 そこで代わりに、あなた方のチームの誰かが見つけて、また注意を払ってくれることを期待し、公共のフォーラムであるここに書くことにします。
あなた方が呼ぶところのリデザインはパロディであり、悲劇であり、そして困惑でもあります。以前のサイトは見た目にずっと美しかったばかりではなく、Web標準ベースによるデザインの好例でした。おそらくより重要なことには、イギリスの障害者差別禁止法(DDA:Disability Discrimination Act)に基づくアクセシブルなサイトでもありました。
あなた方は今や、Web開発とWebデザインにおける進歩を妨げる全ての悪習に後戻りしたサイトを手にしています。 あなた方がサイトに対して施したことから予想されるものを挙げてみましょう。
- パフォーマンスは悪化するでしょう。 個々の文書にある肥大化したマークアップと長ったらしいJavaScriptのソースにより、サイトのレスポンスはかなり悪くなります。そればかりでなく、テーブルベースのレイアウト手法により、ダウンロードされた個々のページはその都度テーブルを再描画しなければならない(これはブラウザにとって二度手間です)ばかりか、ページ個別に見た目と振る舞いの双方を伝達していることになるのです。私は概してあなた方の潜在顧客、とりわけダイアルアップ接続している人々を、大変かわいそうに思います。本当にそう思います。
- サイトの管理はかなり難しくなるでしょう。サイトの見た目をちょっと変えたいですって?今やあなた方は、全ての文書に手を加えなければなりません。スタイルシートを開き、変更を1分やそこらで加え、その変化をスタイルシートとリンクされたすべてのページに自動的に反映させる代わりに、検索と置換を行わなければならないのです。それは、変更をさらに複雑化し兼ねない、決定的な誤りを生ずる余地をもたらします。これは各文書に埋め込まれているスクリプトについても同様です。サイトを効率的に管理する能力、また来るべき時に効率的にリデザインする能力を、あなた方は完全に失いました。
- サイト維持費はより高価になるでしょう。 上述の文書管理上の問題から、変更が必要なその都度、お金と時間とが費やされます。あなたの帯域幅にかかるコストは急騰するでしょう、特にトラフィックがかなり増加しそうなホリデーシーズンが近づくにつれて。
- あらゆる検索エンジンにわたり、検索結果の順位が低下するかもしれません。たとえそれが起こらないにせよ、間違いなく、Googleによればあなた方はspacer.gifと呼ばれる製品を販売しています。一体それは何ですか?そうだ、待ってください!思い出しました!それは今日の現代的なデザインと開発アプローチにとって時代遅れで不要な手法のことです。あなた方がそれを全く知らない場合のために解説すると、spacer.gifはテーブルに基づくレイアウトを維持し、それが崩れるのを防ぐための手段(訳注:一般的には透明な1ピクセル四方のGIF画像のこと)です。そして現在、Googleが明確に示すように、それは貴社のカタログの一部となっています。 あなた方がspacer.gifで多くの売上を得ているるとは思いませんが、それはあなた方もあずかり知らぬことでしょう。
- 目の見えない訪問者はサイトを利用することができません。あなた方は、目の不自由な人々がディズニー製品を自身のためだけでなく、彼らの子供や家族に対しても買いたがらないとお考えですか?
多くの利益をもたらし、あなた方のことを誇りに感じせしめ、マークアップやCSS、アクセシビリティ機能の効果的な利用についての輝かしい事例を提供した、あらゆる現代的なアプローチを取り去り、時代遅れで非アクセシブルな手法を再び採用したことに対し、私は「恥を知れ」と言うでしょう。繰り返しますが、これはパロディであり、悲劇であり、そして困惑なのです。
恥を知れ、ディズニー。
Molly E. Holzschlag、Web Standards Project(WaSP)グループリード
コメントを受け付けるようクロスポストしました。どうか、ディズニーのどなたかコメントを寄せてください。あなた方の声を聞きたいと思っています。