この文書は「CSS Style Attributes (W3C Candidate Recommendation 12 October 2010)」の日本語訳である。日本語訳は参考情報であり、公式な文書ではない。また、翻訳に誤りがある可能性にも注意されたい。

原文の最新版 は、この日本語訳が参照した版から更新された可能性がある。他の仕様の訳については Web 標準仕様 日本語訳一覧 を参照されたい。

更新日:
2012-06-27
公開日:
2011-03-25
翻訳者:
矢倉 眞隆 <>

W3C

CSS スタイル属性

2010年10月12日付 W3C 勧告候補 (Candidate Recommendation)

この版:
http://www.w3.org/TR/2010/CR-css-style-attr-20101012/
最新版:
http://www.w3.org/TR/css-style-attr
前の版:
http://www.w3.org/TR/2010/WD-css-style-attr-20100121/
Editors:
Tantek Çelik (Invited Expert, formerly Microsoft Corporation) <>
Elika J. Etemad (Invited Expert)
Previous Editors:
Bert Bos (W3C), <>
Marc Attinasi (AOL/Netscape), <>

概要

HTML [HTML401] や SVG [SVG11] といったマークアップ言語では、要素にインラインスタイル情報を与えるためのスタイル属性を提供している。スタイル属性で使われるスタイルシート言語のひとつに CSS がある。この仕様はスタイル属性で指定される、CSS フラグメントの構文とその解釈について定義する。

この文書のステータス

この章は、この文書の公開時におけるステータスについて説明する。他の文書がこの文書を上書きする可能性に注意されたい。この技術文書や W3C から公開された他の文書の最新版は W3C 技術文書インデックス (http://www.w3.org/TR/) より探すことができる。

この文書は CSS Working Group により作成された勧告候補 (Candidate Recommendation) である。

勧告候補とは広くレビューがなされ実装段階に入った文書を指す。W3C はこの仕様の実装と、仕様に関するコメントの公開メーリングリスト www-style@w3.org (アーカイブ) への送信を奨励している (メーリングリストへの 参加手順 も参照されたい)。メールを送信する際には、“css-style-attr” を件名に含めていただきたい。たとえば “[css-style-attr] …コメントの要約…” といった形が望ましい。

勧告候補としての公開は、W3C Member による支持を意味するものではない。この文書は草案段階にあり、更新、置き換え、もしくは廃止される可能性もある。策定中であることを記さずに、この文書を参照することは適当ではない。

この文書は 5 February 2004 W3C Patent Policy の下で活動するグループにより作成された。W3C は 特許情報の開示に関する公開リスト を関連する団体と共に、その成果物とあわせて管理している。リストには情報開示に関する説明もあるため、あわせて参照されたい。特許について十分に知識のある人物が、当該仕様に Essential Claim(s) が認められると判断した場合は、W3C 特許方針の第 6 章 に従い情報を開示する必要がある。

For this specification to exit the CR stage, the following conditions shall be met:

  1. There must be at least two interoperable implementations. For the purposes of this criterion, we define the following terms:

    interoperable

    passing the respective test case(s) in the CSS test suite, or, if the implementation is not a Web browser, an equivalent test. Every relevant test in the test suite should have an equivalent test created if such a user agent (UA) is to be used to claim interoperability. In addition if such a UA is to be used to claim interoperability, then there must one or more additional UAs which can also pass those equivalent tests in the same way for the purpose of interoperability. The equivalent tests must be made publicly available for the purposes of peer review.

    implementation

    a user agent which:

    1. implements the specification.
    2. is available (i.e. publicly downloadable or available through some other public point of sale mechanism). This is the "show me" requirement.
    3. is shipped, or is a "nightly build" (i.e., a development version for the next release), but is not experimental (i.e., a version specifically designed to pass the test suite and not intended for daily usage going forward).
  2. A minimum of one month of the CR period must elapse. That is, this specification will not exit CR before 14 November 2010. When the specification exits CR, an implementation report will be published. At this point, no such report exists.

A CSS Style Attributes Test Suite will be developed during the Candidate Recommendation phase of this CSS Style Attributes specification.

Changes since the last Working Draft are listed in the Disposition of Comments.

目次

1. はじめに

いくつかの文書フォーマットは、文書中の特定の要素にスタイル情報を直接適用させるためのスタイル属性を用意している。この仕様は、文書フォーマットがスタイル属性 (‘style’ といった名前など) を持ち、またその値に CSS をとることができる際に、その構文と解釈を定義するものである。

次の例は HTML [HTML401]style 属性の使用例である。

<p style="color: #090; line-height: 1.2">...</p>

2. 適合性

文書や実装は CSS スタイル属性仕様のみに適合することはできない。しかし、文書言語で定義されるスタイル属性の処理を CSS とともに実装する際にこの仕様の適合性要件を満たせば、適合性を主張できる。

CSS スタイル属性仕様の適合性は2種類の対象に分けられる。

文書の適合性
スタイル属性を定義する文書言語で書かれた文書。
インタープリタ
文書の意味と、適合されるスタイル情報を解釈するもの。(多くの CSS UA がこのカテゴリに属する。)

適合性要件は断定的な説明と RFC 2119 の用語によって記されている。規範的な文章中のキーワード "MUST", "MUST NOT", "REQUIRED", "SHALL", "SHALL NOT", "SHOULD", "SHOULD NOT", "RECOMMENDED", "MAY", "OPTIONAL" は RFC 2119 で記された通りの意味で使われている。しかしながら、読みやすさを考慮し、これらのキーワードがこの仕様中では大文字で表記されることはない。非規範的と明示的に記されたセクション、例、注釈を除き、この仕様の文章すべてが規範的である。[RFC2119]

訳注: 訳文ということもあり、これらのキーワードがこの訳中に現れることはない。また、日本語訳は参考情報であることから、原文では規範的とされている箇所もこの日本語訳においては非規範的となる。

この仕様中において、例は「たとえば」という文言で始まる文、もしくは次のように class="example" がつけられ、規範的な文章と分けられたブロックで表される。

これは参考情報である例の例である。

参考情報である注釈は "Note" という単語から始まり、また class="note" がつけられ、規範的な文章と分けられている。

Note: これは参考情報の注釈である。

3. 構文と構文解析

スタイル属性の値は CSS の 宣言ブロック (から区切りとしての波括弧を省いた物) にマッチしなければならない。この正式な文法は CSS コア文法 の用語と規約で次のように表される。

declaration-list
  : S* declaration? [ ';' S* declaration? ]*
  ;

Note: CSS 2.1 の慣習に従った結果として、コメントトークンは上記に含まれていない。

インタープリタは、通常の CSS スタイルシート宣言ブロックを構文解析する前方互換な規則を適用し、スタイル属性値を構文解析しなければならない。詳細は CSS 2.1 の chapter 4 を参照されたい。[CSS21]

Note: CSS スタイル属性の構文には宣言リストを区切る開き波括弧が存在しないため、スタイル属性値中に現れた閉じ波括弧 (}) はスタイル情報を終了しない。閉じ波括弧はただの invalid なトークンとなる。

4. 継承と解釈

スタイル属性中の宣言は、その属性が属する要素に適用される。継承において、これらの宣言は製作者が与えたものと解釈され、どのセレクタよりも高い詳細度を有する。CSS 2.1 ではスタイルシートとスタイル属性が継承においてどう関係するかを 定義 している [CSS21]。スタイル情報中の相対 URL は属性値を構文解析する際に、スタイル属性が属する要素 (もしくは要素ごとの解決が定義されていない場合、文書) に相対的なものとして解決される。

継承における違いを除き、スタイル属性中の宣言は、CSS スタイル規則として要素に適用された場合と同じように解釈されなければならない。

CSS Working Group は文書言語に対し、1つの要素に複数のスタイル属性を許容しないことを強く推奨する。文書言語が複数のスタイル属性を許容する場合、それらは独立して構文解析を行い、異なるスタイル規則として扱われなければならない。属性の順番は文書言語で定義されるべきであり、そうでない場合は未定義となる。

5. 謝辞

Daniel Glazman, Ian Hickson, Eric A. Meyer, Björn Höhrmann からのフィードバックに感謝する。

6. 参考文献

規範的な参考文献

[CSS21]
Bert Bos; et al. Cascading Style Sheets Level 2 Revision 1 (CSS 2.1) Specification. 8 September 2009. W3C Candidate Recommendation. (Work in progress.) URL: http://www.w3.org/TR/2009/CR-CSS2-20090908
[RFC2119]
S. Bradner. Key words for use in RFCs to Indicate Requirement Levels. Internet RFC 2119. URL: http://www.ietf.org/rfc/rfc2119.txt

参考情報

[HTML401]
David Raggett; Ian Jacobs; Arnaud Le Hors. HTML 4.01 Specification. 24 December 1999. W3C Recommendation. URL: http://www.w3.org/TR/1999/REC-html401-19991224
[SVG11]
Erik Dahlström; et al. Scalable Vector Graphics (SVG) 1.1 (Second Edition). 22 June 2010. W3C Working Draft. (Work in progress.) URL: http://www.w3.org/TR/2010/WD-SVG11-20100622