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Web Performance WGとWeb Notification WG

2010年7月23日
フロントエンド・エンジニア 矢倉

HTML WGやCSS WG, WebApps WGをはじめ、W3Cの多くのWGは複数の仕様を策定しています。グループがカバーする範囲がとても広いことが、仕様の数が増えることにつながっています。

しかし、Geolocation WGWeb Fonts WGなど、活動範囲を狭めたグループも存在します。現在設立が検討されているWeb Performance WGとWeb Notification WGは、スコープを絞って仕様を短期間の間で策定することを目指しているようです。

Web Performance WGは、Webアプリケーションの開発において重要なパフォーマンス計測のための仕様を作るWGです。Web Timingという編集者ドラフトの仕様がWebApps WGで提案されていますが、こちらを参考に仕様の策定が検討されています。

Web TimingはIE9でも試験的に実装されているようです。

構想段階ではありますが、映像や音声についてもパフォーマンスが問題になることから、グループとして何か活動することも視野に入れているようです。

Web Notification WGは、バルーンやGrowlなど、デスクトップに情報を通知するためのAPIを策定するグループです。Google Chromeの拡張として内部的に実装されたAPIがすでにWeb Notificationsとして編集者ドラフト段階にありますが、単純な通知APIに絞ることなどを含め、プラットフォーム非依存なAPIを策定していくことが検討されています。

どちらの活動についても、すでに専用のメーリングリストが設けられています。提案されている仕様はWebApps WGで議論が行われていましたが、それを独立したWGで集中して作業させたいという意図があるのでしょう。

ベンダーの動きも活発になっていますし、今後はこういった機能を絞った小さなグループでの策定が増えていくのかもしれません。

追記 (2010-08-20):Web Performance WGは8月19日付けで立ち上げが発表されました。

Co-chairを務めるMicrosoftのJason Weberが、WGの立ち上げに関しエントリをIEBlogに公開しています。