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Jeffrey Zeldmanへのインタビュー

2009年5月28日
フロントエンド・エンジニア 矢倉

またまたインタビューになってしまいますが、Jeffrey ZeldmanのWeblogにて、.netという雑誌に掲載された彼のインタビュー記事が紹介されていたので読んでみました。

Web標準の広まり

Web標準が普及しているという彼の見解から、インタビューは始まります。

There was a standards awareness even among the sites that had problems. It’s just become normal among many developers and designers. They understand that markup is supposed to be semantic. And there’s growing interest in microformats and curiosity about HTML5. Things are happening.

Alexaのトップ100サイトを検証したところ、validだったのは7つ。しかしソースを見てみると、テーブルを利用したレイアウトはほとんどなく、invalidなサイトにもWeb標準への意識を感じるものがみてとれたとのことです。

標準にもとめるもの

カラムレイアウトやタイポグラフィなど、現在のWeb標準ではまだまだ表現に手間がかかることについて、Zeldmanは「Photoshopくらい簡単にWebデザインができるといい」と語っています。

さて、HTML, CSS, DOM, JavaScriptなど、Web標準の世界はなかなか混沌としています。彼は技術仕様が複数あることについては問題ないとしているものの、「h1はロゴか一番大きな見出しか」といった例を挙げ、明瞭さが欠けていることに懸念を持っているようです。

理由としては主観的な解釈を行うことしかできないため、行き場なく議論が広がるだけになってしまうとのこと。しかし、こういうことについて議論があることは、よい事と思っているようです。

不況とデザイナー

彼はHappy Cogというファームを開いていますが、設立した当初はひとりでやっていたそうです。この頃はネットバブルがはじけ、不況になりはじめた頃でした。

ふたたび経済が落ち込んでいる今を生き抜くために、彼は「良い価値を提供しなければいけない。ただ価値を下げてはいけない。」「クライアントとコミュニケーションを密にとらないといけない。」といったことを述べています。

最後のアドバイスとして、彼は Do cool free stuff that doesn’t make you any money. It will really grow your brand and get you clients. と語っています。自分の価値を高めるための活動が重要ということなのでしょうか。いろいろ考えてしまいました。

“Blue Beanie”本も新しく

さて、Zeldmanといえば、あの青ビーニー帽の Designing with Web Standards が有名ですが、現在彼はその第三版にとりかかっているようです。3年前に出版された第二版を読み返したところ「古くなっていた」と思ったのが理由だそうです。

初版が出たのは2003年。CSS Zen Gardenが立ち上がり、Blogが普及してきた頃になります。また、IE6が9割以上のシェアを持ち、FirefoxはまだFirebirdと呼ばれていた時代です。Web標準を取り巻く状況はかなり変化しています。どのように新しくなるのかが楽しみです。