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Web標準サポートを選択する、ということ

2008年2月26日
フロントエンド・エンジニア 木達

2008年1月22日
Aaron Gustafson著

(この記事はWeb Standards Project(WaSP)における投稿記事「Opting-in to standards support」を翻訳したものです。当Blogは翻訳の正確性を保証いたしませんので、必要に応じ原文を参照ください。)

今週のA List Apartの掲載記事のなかで、WaSPに所属する何人かと共同で開発された、Microsoftの前方互換性に対する新しい戦略を(ついに)明らかにすることができました。

IE7が登場したとき、表示がおかしくなったサイトがありました。Webコミュニティのあいだでは数多くの理由が語られたものの、Web標準に準拠したレンダリングエンジンのすべては、私たちが親しみを込めて呼ぶところの「DOCTYPEスイッチ」によってモードを切り替える事実に、誰も言及しませんでした。ここで古臭い言い回しを引き合いに出すなら、「仮定あなた笑いものにすることでしょう」。

一体、DOCTYPEスイッチとは何をする存在なのでしょう?DOCTYPEスイッチは、妥当なDOCTYPEを「モダンな」言語(たとえばHTML 4)に使っているなら、あなたが自分の行いを知っていて、かつブラウザに標準モードで表示して欲しいと考えていると仮定します。

その仮定は何ら問題なかったはずでしたが、私たち(Web標準コミュニティ、とりわけWaSP)からのプレッシャーを受け、それに配慮した結果として、妥当なDOCTYPEを新規作成した文書にデフォルトで挿入するよう決めたオーサーリングツールベンダーにとって、そうではありませんでした。既存のDOCTYPEスイッチが明示的な選択を行うものではなかったゆえに、うまく機能しなかったのです。長きにわたりブラウザシェアにおいて圧倒的な比率を誇ってきたことから、IE6が多くの開発者のテストを行う主要なブラウザとなってきた事実を書き加えれば、あなたは最悪の事態のレシピを思い浮かべることができるでしょう。開発者は、ブラウザの進化に伴いレンダリングエンジンがアップデートされることを受け入れる選択をしたと知らずに、IE6に表示されるレイアウトが正確であると仮定(またこの言葉が出ました)するのです(これらすべては、IE6のレンダリングが5年にわたり変化してこなかったことで強化されました)。

そういうわけで、IE7とそのチューンアップされたレンダリングエンジンは、サイトの表示に崩れをもたらしたわけです。

そのままでは何が起こるか目にしたくなかったMicrosoftは、明示的な選択によって標準サポートを有効にするより良い方法を探し、私たち(WaSP)に助けを求めてきました。A List Apartに書いた記事では、私たちが検討してきた経緯について、より多くを読むことができます。こちらの記事では、WaSPを卒業したEric Meyer(この提案の開発には携わらなかったものの、フィードバックを依頼しました)による解説がなされており、私たちの提案に対して彼が抱いた感情の変遷をたどることができるでしょう。私たちが「バージョンターゲティング」と呼ぶものについての一連のALA掲載記事は、私と同様このテクニックの開発に参加したPeter Paul Kochの書く、IE8以降におけるターゲティング機構のメカニズムを扱う記事でもって、2週間以内に締めくくられる予定です。