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標準化プロセスから得られる教訓

2006年5月17日
フロントエンド・エンジニア 木達

2006年5月1日
Ben Henick著

(この記事はWeb Standards Project(WaSP)における投稿記事「Lessons that the standardization process can teach us」を翻訳したものです。当Blogは翻訳の正確性を保証いたしませんので、必要に応じ原文を参照ください。)

Six ApartはTrackback標準化に取り組んでおり、WaSP名誉メンバーのAnil Dash は、そのプロセスで得た知識の一部を紹介しています。同氏が指摘するポイントのいくつかは、WaSPの取り組みにも関連しています。

WaSP名誉メンバーのAnil Dashは、同氏が所属するSix Apartの後押しにより、Trackback を標準技術にすることを目指してきました。

同氏は、このプロセスで標準化プロセスの紆余曲折について、多くを学んだと語っています。ここではその3つのポイントを紹介しましょう。

  • ユーザーはそれを知る必要がないし、気にしなくてもよい。
  • 現実世界での便益に目を向けることが重要。
  • 実装を出荷することに勝るものはない。技術的な議論は大抵、現在使用されているものを見ることで最終的な決着がつく場合が多い。これは俗に「市場に決定させる」といわれる。

標準化支持者、ソフトウェア・ベンダー、W3Cプロセスへの貢献者の取り組みはそれぞれ説明されていますが、それらに大きく関連する、そして上記意見から導かれた結論は以下のとおりです。

Web上では、情報の出し手と受け手の境界があいまいになり、日々両者の違いがなくなりつつあります。これは、めちゃくちゃなアウトプットを作成しない、利用者に適したツールを専門家が作らなければならないということです。しかし、常にすべての人を喜ばせる必要はありません。常識を働かせれば、どうなるか予想がつくというものです。

近年、W3Cのプロセスは全体的にセマンティックWebを目指していますが、彼らの貴重なエネルギーは、既に実践され市場に登場しているものに追いつくことに費やされています。一方、WebテクノロジーのエンドユーザーとW3C間で直接やりとりがあるとは思えません。その結果、本プロセスに利害関係がある人々は、近い将来にユーザーに利益をもたらすようにするどころか、それをうわのそらにしています。そういった仕事は、ソフトウェア・ベンダーだけに任されることが多く、ActiveXやGoLiveのような<いやみ>勝ち組</いやみ>がもたらされます。

IE7の出荷後に、それが「皇帝の新たな衣装」以上の出来かどうかを知ることは、興味深いものです。Internet Explorer 6が今で言うところのNetscape 4のような存在になったとしても、不思議ではありません。

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