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Web標準Blog

Web標準Blogでは、Web標準の利用に興味のあるWebサイト管理者、Webデザイナーの方向けに、Web標準を利用するための手法やノウハウ、参考になるリソース等を、国内外を問わずご紹介します。

2009年1月20日

英国政府のブラウザガイドラインにみる良識の普及

フロントエンド・エンジニア 木達

2009年1月19日
Bruce Lawson著

(この記事はWeb Standards Project(WaSP)における投稿記事「UK government browser guidelines: good sense prevails」を翻訳したものです。当Blogは翻訳の正確性を保証いたしませんので、必要に応じ原文を参照ください。)

昨年の9月、私が英国政府のブラウザガイダンスのドラフトに関する記事(訳注:同記事の日本語訳は当Blogでは公開しておりません)を投稿したのを覚えておいででしょうか?そのなかで、ブラウザテストのガイドラインの要点を記したドラフト文書を紹介しました。

政府系Webサイトについて、Webマスターはそれほど人気のない(サイト利用統計で2%に満たない)ブラウザでテストする必要はないこと、テストに用いたブラウザを列記のうえ「お使いのブラウザのバージョンを可能な限りアップグレードすること、もし可能であればリストにあるものをお使いになることを推奨します」と記したページをサイトに設けるべきこと提案していました。

私は読者に、ガイドラインがすべてのブラウザに貢献するWeb標準や漸進的な機能拡張といった手法を推薦していないことに異を唱え、専門的立場からのコメントをメールで送るよう呼びかけました。その2日後に、ガイドラインの著者のAdam Bailinが、既に400人以上からメールを受け取ったことをコメントしたのを読んで、私は嬉しく思いました。

先週の金曜、つまり1月16日にAdamはブラウザテストガイドラインを改訂したのですが、Web開発のベストプラクティスを盛り込むという、素晴らしい働きを見せました。段階的ブラウザサポートの好例としてBBCのサポート表を挙げ、また標準に準拠したブラウザをサポートすることの重要性を記しています(17〜18段落目)

Web標準に準拠してコーディングすれば、Web標準をサポートするどのブラウザでも、意図した通りに描画し動作することが保証されるはずです。従い、あなたのブラウザテストのマトリックスは、Web標準をサポートするブラウザを含まなければなりません。

Webサイトを開発するには、漸進的な機能拡張のアプローチを採用すべきです。そうすれば、コンテンツは可能な限り幅広いブラウザに対してアクセシブルであることを保証できます。

文法的妥当性の重要性は、21〜23段落目に記されています:

すべての(X)HTMLコンテンツは、あなたの選択したDTDに対し妥当でなければなりません。

レイアウトとスタイル付けを含む、Webサイトの表示レイヤーについては、文法的に妥当なスタイルシートを使わなければなりません。table要素は、データテーブルを示すためにのみ使うべきです。

インターフェイスをリッチにするのに用いられるコード(たとえばJavaScriptやActionScript)は、ECMAScript準拠でなければなりません。

ガイドラインはまた、複数のブラウザにおける同一のレイアウトよりも機能性を力説します(39段落目):

コンテンツとその機能や表示がすべて意図した通りであることを確認すべきです。こと表示に関しては、少しばかり違いが生じているかもしれません。これは、ブラウザ間で1ピクセル違わず完全に同じであるべきという意味ではありません。個々のブラウザを使う人が誤りに気づかないようにするということです。

スクリプトやプラグインを使わない場合の適切な低均化やアクセシビリティが、41〜42段落目で求められています。

スクリプトやプラグインが無効な状況であってもWebサイトが機能することもテストすべきです。

ポインティングデバイスを使うことのできないユーザーもいるでしょうから、サイトがキーボードだけで機能することを検証すべきです。

個人的に同意できないいくつかの点に対し、ケチをつけることはできますが、私はしません。新しいガイドラインのフレームワークは概して拡張可能で、将来を約束してくれるものとなっています。それは納税者やWebサイトを訪れる人々、英国の政府系Webマスターらに貢献することでしょう。

私はAdam Bailinやガイドラインの改訂に携わったチーム、そして時間を惜しまずレビューを書くことでWeb標準を支持してくださった400人以上の読者の一人一人に、賛辞を送りたいと思います。

実に、素晴らしいことだと思います。

(暴露しておくと、私はブラウザベンダーのOperaで働いており、同社としての意見を書いたのは私です。)