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John Allsopp氏インタビュー(後半)公開

2007年1月12日
フロントエンド・エンジニア 木達

ミツエーリンクスVideocastingにて、Meet the Professionals ~ John Allsopp (後半)を公開中です。

「Meet the Professionals」は、Webの世界で活躍する各分野のエキスパートにインタビューを行うシリーズです。今回はWeb Standards Project(WaSP)にその初期から携わり、CSS SamuraiのメンバーでもあったJohn Allsoppさんにお話をうかがいました。後半では、にわかに注目を浴びつつあるmicroformats、あるいはそのWeb標準との関連性などを中心にお話を伺っています。

なお、このインタビューはWeb Directions 06が開催された2006年9月末にシドニーで収録したものです。

木達:さて、Johnさんはいまご自分の会社、Westcivにお勤めですよね?

John:そのとおりです。

木達:会社では何をされているのですか?また、製品にはどのようなものがあるのか教えてください。先ほど、CSSエディタのStyle Masterについて伺いましたが。

John:そうですね。一部のJavaアプリケーションをのぞいて、私たちの製品はクロス・プラットフォームです。Javaを用いず、ネイティブでマッキントッシュとウィンドウズに対応しています。私たちには、マッキントッシュとウィンドウズにネイティブで対応した唯一のCSSエディタがあります。マッキントッシュ版とウィンドウズ版で異なる部分はありますが、それはプラットフォームが異なるからであって、基本となる理念は同じです。

CSSはプログラミングのようであり、またデザインツールのようでもあるため、非常に難しいテクノロジーであると私たちは認識しています。適切にこれを使用するには、デザインをするのと同時に、プログラマーのように考える必要があります。私たちがしようとしていることは、プログラミングを隠すことではなく、人々にプログラミングの部分、つまりコードが、いかにページやデザインに直接的に影響しているかを視覚的に理解するのを助けることです。デザイナーがCSSのパワーを利用しやすく、またそれを理解するよう設計しています。

それがこの製品に対する私たちの考え方であり、非常に成功していると思います。開発は継続しています。たとえばオープン・ソースのコンテンツ・マネジメント・システム、WordPressDrupalの台頭など、新しいものがどんどん登場しています。私たちは、さまざまなBlogシステムを対象にテンプレート作成のサポートを追加してきました。つまり、CSSがスタンド・アローンではない以上、私たちもまたスタンド・アローンではないものを目指し、作り出しているわけです。CSSは、HTMLや画像と共に使われますから、Style MasterはHTMLエディタやデザインツールなどと連携します。そこで、私たちはWeb開発のエコシステムの一部になろうとしています。中には「Style MasterにHTML編集機能を入れるべきだ」という声もありますが、Style MasterはCSS向けであって、HTMLエディタには優れたものがありますよ。もっと優れたHTMLエディタが参入する余地はまだあると思いますね。私について言えば・・・忙しすぎて開発できないかもしれませんが。

木達:ということは、Johnさんは会社でほとんどStyle Masterのプログラミングをしているのですね?

John:おっしゃるとおりです。それが私の役割で、私の大きな役割のひとつは、Style Masterのソフトウェアを開発することです。私は、リード・デザイナー兼開発者であり、コードの大半を記述しています。アウトソーシングもしますし、外部ライブラリも使用します。すべて私が記述するわけではありませんが、あらゆる機能のデザインと開発は私たち自身が担当しています。

木達:わかりました。さて、Johnさんはmicroformatsの普及に力を入れているようにお見受けします。私はmicroformatsを知っていますし、その発想を気に入っていますが、microformatsとは何か教えてくださいませんか? これはWeb標準の一部ですか?

John:わかりました。まず、microformatsとは何か、です。平均的なWebページを想定するならば、あらゆる種類のWebページに同じ種類の情報がたびたび繰り返されます。簡単な例は連絡先です。企業のWebサイトを見れば、その会社の連絡先情報があります。しかし記述の方法、コーディングされている方法は、ミツエーリンクスのサイト上とWestcivのそれは異なりますし、MicrosoftAppleとも異なるでしょう。それぞれのページで連絡先の詳細に異なるマークアップがなされています。このため、たとえば、Web上にある住所や連絡先のすべてを抽出し、出回っているイエロー・ページのような検索エンジンを構築することは難しくなります。ソフトウェアがページを読み込んで「これは住所だろうか?」と考え、理解しなければならないからです。日本の住所は、ニューヨークやシドニーとは非常に異なった形式になっています。つまり、非常に難しい問題なのです。しかもこれは、数百万にのぼるWebページ上のあるあらゆる種類の情報のわずか一例に過ぎません。しかも、これをマークアップする一般的な標準はありません。microformatsの背後にあるアイディアは、Web上で使用される頻度の極めて高いデータについて、最も基本的な部分から一般的な標準を構築することであり、その一例が連絡先の詳細で、これを対象としてhCardと呼ばれるmicroformatsがあります。そして、microformatsの重要な点のひとつには、新しいことを発明しようとしておらず、現在の開発者のアプローチを追随しようとしていることが挙げられます。たとえば、Blogロールや連絡先の紹介ですが、まったく新しいものを発明するのではなく、既存の標準やフォーマット、またはスキーマをできるかぎり使うのです。つまりhCardは、vCardのセマンティクスまたはスキーマであり、HTML形式だということです。vCardについてはスキーマがありますが、vCardは単純に、セミコロン区切りの文字列のようなものです。そこでvCardのスキーマを取り出し、それをHTMLで使用するのです。

次に「microformatsはWeb標準かどうか?」についてです。Web標準について話すときに、大半の人が意図しているのはW3Cによる勧告だと思います。つまり、Web標準と言ったときに、実際に意味しているものはW3C標準なのです。さて、microformatsはW3C由来のものではありません。これらはmicroformats.orgに集う、誰もが参加できるグループから生まれたもので、特定の標準というよりも、プロセスでありコミュニティです。また、標準化組織によるものではなくて、慣習による標準に近いものですね。つまり、標準化組織のアプローチにおける長所でもって、コミュニティベースの開発アプローチの利点を活かそうしているわけです。CSS3やXHTML2には長い時間がかかっていますが、このアイディアであれば非常に柔軟かつ合理的で迅速な開発が可能です。ここでの着眼点は、小さな部分を迅速に仕上げれば、膨大な量の作業を標準化組織が成し遂げるまで長期間待つ必要がないという点です。もしmicroformatsを発明して他の誰も使用しなければ、実際の必要性はないのかもしれません。つまり、発想の市場のようなものという考え方です。自分のmicroformatsを公開して誰かが採用するという流れであり、たとえばGEOデータ(地理情報)のmicroformatsは、GEOタグ作成のためにFlickrが採用しています。つまり、データにGEOタグが付けられたものが簡単に何百万とできるわけです。Yahoo! Localはこれを使っており、また別のサイトもこれを使っています。

つまり、CSSやHTMLが標準であるという点からすると、microformatsは標準ではありませんが、Web標準の原則に基づいて作成されています。microformatsはHTMLを適切に使用しています。たとえば、使用するmicroformatsの内部では、HTMLのセマンティクスを適切に使用することが重要になります。microformatsは標準と緊密な連携を保って機能しますが、中身としてはCSSやHTMLとは異なるわけです。この意味の標準として、microformatsはW3Cには属していません。

木達:わかりました。

John:今の説明は役に立ちましたか?

木達:ええ。

John:これは、非常に複雑な分野です。多くのものがありますが、基本となるアイディアはそれほど入り組んでいません。

木達:そうですね。一部の人はWeb標準とは何か、または何を意味するのか混乱するのではと思いましたが、丁寧に説明いただき、ありがとうございました。

John:そうですね。丁寧ではありますが、長くなりました。

木達:さて、それでは次の質問です。microformatsは、日本では日ごとに人気を高めています。

John:本当ですか?それはよいことですね。

木達:はい。しかしXHTML+CSSのようなWeb標準ほどではありません。おそらくは、役立つツールやmicroformatsを使用したWebサービスが少ないためでしょう。microformats全般の現状についてはどのようにお考えですか?

John:覚えておかなければならないことのひとつに、CSSが最初にリリースされたのが1996年だという点があります。この10月で10年目を迎えたわけで、まだ10周年なのです。XHTMLは1998年にリリースされ、HTMLはもっと早くに策定されました。これらは長い時間をかけて普及してきました。誕生してまだわずか2年目のmicroformatsに、開発者のコミュニティで同様の洗練されたレベルの利活用を期待するのは非現実的かもしれません。

木達:そうですね。

John:Style Masterが初めてリリースされた1998年当時を考えれば、CSSの導入レベルや、CSSを対象としたツールの洗練度がおわかりでしょう。microformatsが幅広く普及して、個々の開発者やYahoo!のような巨大サイトがどんどん使用すれば、microformatsでも同じことが期待できると思います。これが、最初にお話ししたい点です。

ただし、ツールのサポート面で非常に初期段階にある、というのももちろん事実です。Dreamweaverのような多くの開発者が使用するツールには、microformatsにネイティブで対応していません。しかし、WaSPDrew McClellanがmicroformatsを使ったマークアップを簡単にするために開発したツールバーはあります。

オンラインツールにもすぐれたものがあります。たとえば最初に誕生したmicroformats でXFN(XHTML Friends Network)というものがあります。WordPressはこれにネイティブで対応しており、ブログロールを作成する際、XFN作成フォームでたとえば木達さんを知っており、同僚で、会ったことがあり、友人であるといった項目を入力できます。つまり、すべてが組み込まれているのです。

非常に人気があり普及しているツールや数多くのプラグインでもネイティブで対応しているものがあります。日々、誰かがDrupalのプラグインを、またはWordPressのその他のプラグインを入手しています。WordPressを対象とした構造化ブログ作成プラグインは、サポートが豊富です。

この現状からは、'97年や'98年におけるCSSが思い出されますね。期待感や可能性、展望のいずれにおいても同じ感覚を抱きます。しかしCSSの場合、ブラウザがサポートするのを待たなければならなかった点が異なります。microformatsはHTMLを使用しているため、ブラウザのサポートを待つ必要はありません。開発者はまったく新しい言語を学習する必要もありません。既存のHTMLの知識を活用して、ほんの少し追加すればよいのです。

つまり展望は非常に明るいもので、特にYahoo!を筆頭に、Yahoo! Local、Yahoo! Tech、Flickr ではGEOタグが使われています。そして一部の人々、Simple BitsのDan CederholmによるCork'd・・・

木達:ワインのサイトですね!

John:そう、ワインのサイトです。Cork'dではhReviewを使用しており、レビューにはレビュアーの詳細についてhCardが使用されています。タグ付けのためのmicroformatsも使用していたと思います。Danは、レビュアー同士の関係を構築できるようXFNの使用を検討していると話していました。小規模ながらダイナミックで興味深いCork'dのようなサイトも、Yahoo!のような非常に大手のサイトも、microformatsを使用していることになります。

Blog作成やコンテンツ・マネジメント・ツールの多くにもネイティブのサポートがあります。microformatsの状態は、わずか2年目にしては非常に洗練されていると思います。1年前だったら人々は「microformatsって何?」と言っていました。今は、とても勢いがあると思います。そう願っています。

木達:わかりました。Westcivでは、microformatsに対応した製品やサービスを展開する予定はありますか? 何か具体的な今後の予定があったら教えてください。

John:もちろん、非常に期待しています。現時点で、私は教育に専念しています。このため、カンファレンスで講演したり、microformats.orgやwikiで活動しています。最近、タグ・クラウドに関するmicroformatを提案し、その話題に関する議論をしました。タグ・クラウドについては、皆同じように見えますが、裏にあるコードをみると、完全に異なる方法ですべて実装されています。しかし、ある意味タグ・クラウドは、Technorati、Flickrや他のサイトで人気のあるAPIです。

そういうわけで私もコミュニティ参加しています。私は、microformats界隈におけるあらゆるニュースを網羅するためのブログを持っています。これは、私がCSS始めたときと同じです。プロモーション、普及活動、そして教育が、今私のしていることです。それほど遠くない将来、もちろんStyle Masterにおいてですが、さまざまなmicroformatsに対応することになると思います。

その先については、多くのHTMLツールはまだ洗練されておらず、非常に人気があるものの一部でさえそうだと思っています。そこに何らかのチャンスがあると考えていますが、今は時間がないのです。もしも皆さんが興味をお持ちであれば、microformatsを直接HTMLツールに対応させることについて、私が持っているアイディアについてお話ししたいと考えています。

多くのチャンスが潜んでいます。もちろん、Style Masterをmicroformatsに対応させ、スタイル付けできるようにする方針です。microformatsのスタイル付けに関し重要な点は、microformatsが人間に読めるようデザインされているということです。私たちがつねに抱いている疑問のひとつは、「利便性を高めるために、CSSをこのフォーマットとどのように連携させることができるか? どのように、CSSでスタイル付けができるだろうか?」というものです。

木達:なるほど。

John:また、私たちが今後取り組んでいくものでもあります。このため、今後数カ月で何らかの動きがあると思います。

木達:わかりました。Johnさんは今、microformatsに関する本を執筆されていますよね?

John:はい。

木達:昨日、その話を伺いました。

John:そうですね。お話ししました。

木達:手にとって読めることを本当に楽しみにしています。

John:ありがとうございます。ひょっとしたら、木達さんは日本語訳を出版できるかもしれませんね。

木達:そうですね。機会があれば、是非。

John:そのときはよろしくお願いします。

木達:microformatsを普及させ、教育するために、Blogや本、オンライン記事の執筆以外で、Johnさんの戦略は何ですか?

John:私は、実例に非常にこだわります。たいていの人がWebについてどのように学習したかといえば、他人が作成したコードを見るわけです。どのようにするのでしょう? CSSやHTMLのソースを見るわけです。Flashや、C++を用いたアプリケーションとは非常に異なり、それはWebがパワフルな点のひとつです。オープンソースの世界を除いて、コードを見たり、プログラマーからすばらしい方法を学習したりすることはできません。

Webについては、つねにコードを見ることができます。

木達:そうですね。

John:Webでは、実例から学習します。それは、ほとんどの人がすることだと思います。誰か他の人の実例をリバース・エンジニアリングするのです。microformatsを実際に使用するというのは、私がしたいことのひとつで、たとえば、Web Directionsカンファレンスのサイトでは、テーブルを用いたhCalendarの非常に複雑な使用例があります。もちろん、カレンダーは表形式となるのが一般的です。

木達:そうですね。

John:そこで、特定のセルにあるイベントとテーブル見出しをmicroformatsが適切に機能するよう関連づけるにはどうすればよいのか、という難問にぶつかります。私が考えているのは、実際にソリューションを用意し、私のブログに何をしたか、なぜそのような方法を選んだかについて記事を書くことです。人々は、実例から学習することが多いからです。それこそは、取り組もうとしていることのひとつに実例の解説を挙げる理由です。microformatsを使用し、どのように使用したか公開すれば、周りの人は、コピー&ペーストすることで、個々の目的のために応用することができます。

木達:つまり、Johnさんの考え方や手法を共有するわけですね。

John:そういうことになると思います。たとえば最近、私は提案をしたのですが、タグ・クラウドについて基本的な作業をしました。その動機は、「プロセスをたどってみよう」、「過去にたどったプロセスについて話し合い、私たちのたどるプロセスとそれがどのように関連づけられるか示そう」というものです。私は間違いを犯すかもしれませんが、人々は私の過ちを発見し、そこから学ぶことができます。

木達:そのとおりですね。

John:そのプロセスを繰り返すなかで、私は何かしら変更を加えるでしょう。コミュニティの多くの人は、その例から、何が他よりもうまくいくかを学びます。microformatsを提案する際に、特定のアプローチがよりうまく機能します。私が望むのは、ガラスのような透明性を持つことだと思います。隠したりしないということです。私は、オープンに物事を展開して、自分のしたことを説明しようとします。これは、他の人がそのプロセスを再現して、真似したり、またはある程度自分でしたことを振り返ったりすることができるためです。これが、長い間私がCSSについて取り組んできたことであり、CSSについて人々にプロモーションや教育をしてきた経験から得た教訓を踏まえ、実践していると思います。これは非常に成功したと思います。多くの人は非常にすばらしい実績を残しています。CSSの成功が私と関係していると言うつもりはありませんが、私たちがしてきたことは、多くの人々に自身のサイトを見てもらうことだったと思います。非常に人気のあるサイトで、です。これらの教訓を生かして学習し、microformatsでも同じようなことをしようとしているわけです。microformatsは大成功を収めることを期待しており、実際そうなるだろうと思っていますし、CSSよりもいくつかの面においてはるかに重要だと考えています。これは私の推測です。microformatsは、Webのもつ能力や価値に対してCSSよりずっと大きな影響をもたらすであろうと思います。CSSがWebにすばらしい影響をもたらしていない、という意味ではありません。要は、microformatsが非常に重要になると私がどれだけ信じているか、ということです。

木達:なるほど。最後の質問です。

John:はい。

木達:最後に、WebやWeb標準、またはmicroformatsの将来について、何を希望しますか?

John:Webについては、最近Tantek Çelikと話をしました。Tantekは、microformatsやW3Cにとって非常に重要な人物のひとりです。話をしながら、私たちは二人とも人類の歴史、あらゆる人類の文明においてWebが最も重要なもののひとつだと感じていることを見出しました。Webは人類の文明のコンセプトを変えてきました。これは非常に大きなテーマであり、私たちはまだWebの潜在的な可能性を見始める段階にすらも達していないと考えています。Webの黎明期を振り返れば、非常に興味深いことに、後にナイト爵を叙勲されるTim Burners-Leeは、Webに望むことや彼がどのようにWebに実装したかを記した一連の原則を記しており、誰でもこれを調べて彼のエッセーや著作を読むことができます。非常に面白いことに、彼はオープンさ、寛大さ、相互に連絡し合い共有することの価値がいかに人々を束ね、またそれらが小さな壁で仕切られた個別の庭を持たないというアイディアと関連づけられるか語っています。こうした考え方はすべて、WebのDNAに組み込まれており、多くの人は過去15年弱にわたって従ってきました。AOLもMSNもAppleのeWorldも、あるいはCompuserveも、多くの面においてWebより長い歴史をもっていることを私は知っています。これらはすべて、Webのスピリットを受けて、独自の利点を生かそうとしましたが、すべてを失いました。Webには何か非常に強力なものがあり、それはオープンさと寛大さだと思っています。私たちのコミュニティのなかにいる、多くをもたらしてくれた人々のことを想像してみてください。ニュースグループやBlog、メーリングリストに時間やエネルギーを注ぎ込んでくれた数え切れないほどの人がいます。私にとって、人々がWebに携わる方法、Webが開発される方法、これらはすべて同じものに集約されます。今後5年から10年間を楽しみにしており、文明にとって私が非常に重要だと考える正直さやオープンさ、透明性、民主制といった価値は、Webに組み込まれていくという非常に楽観的な立場をとっています。これらは多くのマイナス要因や、Webを阻害する多くの障壁を乗り越えてきました。将来に期待はしていますが、実際何を期待すればいいか分からないほどです。具体的な例を挙げることができませんが、明るい展望が続くことを願っています。

究極的に、Webはあらゆる種類のソリューションの最後の決め手を作る際のオープンなプラットフォームになり、今はまだ理解することもできないような方法で、私たちの人生を豊かにしてくれると考えています。それが私の希望です。

木達:なるほど。ありがとうございました。

John:どういたしまして、木達さん。こちらこそありがとうございます。

木達:時間を割いていただきありがとうございました。私も同様の希望をもっていますし、Webの将来については同様に楽観的です。Johnさんの今後の活躍とWebの発展を祈っています。

John:そうですね。私たちには同い年の子どもがいますね。私たちは楽観的だと思います。私たちの子どもたちが私たちの年齢になる頃の40年後、いや20年後でも、いったいWebがどのようになるだろうと考えるとワクワクしますね。私たちには、私たちの子どもらが楽観的でいられることに対する責任がありますね。