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WCAGレビュー期間の延長

2006年6月7日
フロントエンド・エンジニア 木達

2006年5月26日
Matt May著

(この記事はWeb Standards Project(WaSP)における投稿記事「WCAG review period extended」を翻訳したものです。当Blogは翻訳の正確性を保証いたしませんので、必要に応じ原文を参照ください。)

WCAG 2へのコメント受付期限が、6月22日(木)に延長されました。フィードバックを提供しようと考えている方は、コメントを寄せる際の方法を一読されることをお薦めします。

ATF(訳注:WaSP内でアクセシビリティに特化した活動を行うAccessibility Task Forceの略語)は、間もなく広範にわたる指摘を行い、WCAGワーキング・グループが、いわゆる技術的な問題に絞った内容をカバーしていくことをサポートするつもりです。

私は現在のラストコール・ワーキングドラフトをレビューしました。私の意見とATFの他のメンバーからの意見は、現在まとめている最中です。簡潔に言えば、本草案には悪い点よりも、良い点がたくさんあると思います。基本的な問題は、識別し書き直すことのできる技術的な欠点ではなく、一般的な使いやすさの問題です。その結果、新たな読者にとって、近寄り難いものになってしまいます。

私からのアドバイスとしては、コメントを寄せる方はコメントを2部に分けたほうがよいでしょう。まず技術的な問題を説明し、その後、内容をどのように構成にしたらよいかに関する一般的なコメント、それを裏付ける教育資料や参考資料を記載します。

ワーキング・グループがすべてを網羅した資料を作成することを期待しないでください。彼らに合衆国憲法のように正確で包括的な仕様の作成を求めるべきではありません。「サルでもわかる」本と同じくらいに読めればいいのです。本やチュートリアル、サンプルコードは必要ですが、このテーマを理解する人であれば誰でも、後でそれらを作成することができます。

WCAG 2の最も重要な要件は、 技術的な内容がしっかりしていることです。たとえ長々とした文章で難解、読みにくくとも、完全かつ正確なもの、それこそが私たちの望むものです。 仕様には、規定するという意味があります。ワーキング・グループは、たった1つの目標を目指してほしいと思います。それはポリシーの検討でもなければ柔軟な基準、複雑な適合や適用範囲の体系、華麗な文章、計測不可能なことを測定することでもありません。WAI(訳注:W3Cにおいてアクセシビリティ関連の活動を行っているWeb Accessibility Initiativeの略語で、WCAGワーキング・グループもWAIに属します)には、核となる要件がいったん確立されれば、それに対する取り組みを説明することのできる、数多くの人々のサポートがあるのです。ワーキング・グループは、問題を定義し解決法をテストすること以外に、責任を負うべきではありません。それだけでも十分大きな仕事ですから。