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<h1>要素の扱い

2005年8月26日
フロントエンド・エンジニア 木達

<h1>要素の扱いに関するご質問をいただきました。

構造的にマークアップを進めていく場合、<h1>で括るのにふさわしいものとして「a.サイト共通のタイトルや企業名称」と「b.そのページのユニークなタイトル」のうち、どちらがより適切でしょうか。

まず確認しておきたいのが、h1要素でマークアップすべき情報とは何か、という点です。HTML 4.01仕様書には、以下に引用する記述があります。

A heading element briefly describes the topic of the section it introduces. Heading information may be used by user agents, for example, to construct a table of contents for a document automatically.

There are six levels of headings in HTML with H1 as the most important and H6 as the least. Visual browsers usually render more important headings in larger fonts than less important ones.

上記のなかで押さえておくべきポイントとしては、2点あると思います。

第一に、文書中にある情報を、見出しと見出しでないものに分類する必要があるでしょう。見出しとしてマークアップすべき情報を識別・抽出できさえすれば、それをさらに1~6のレベルに分類することは、難しいことでは無いと思います。

ご質問にある選択肢の後者「そのページのユニークなタイトル」というのは、明らかに見出しに類する情報ですから、つまり論点は前者の「サイト共通のタイトルや企業名称」を見出しとして認識すべきかどうか?という点になると思います。

これはおそらく、文書作成者の考え方次第という側面もあり、一義的な正解は無いと思います。ちなみに弊社Webサイトにおきましては、「サイト共通のタイトルや企業名称」をトップページでは見出しとして扱い、それ以外の一般ページでは見出しとして扱わない方針を採用しています。

その理由としては、先に挙げた見出し要素に関するポイントのうち、そもそもの定義である「後続するセクションの話題を短く述べたもの」か否か、という観点に基づく検討があります。

トップページは、そのサイト上の主要コンテンツに対するインデックスとして機能しており、つまりサイト上に存在する全ての情報が集約されていると考えられます。それに呼応する見出しとしては「サイト共通のタイトルや企業名称」が妥当であると考えました。

それに対し一般ページにおいては、「サイト共通のタイトルや企業名称」はその文書に固有な内容について述べたものとはいえず、単なるサイトアイデンティティとしての意図・意味づけの度合いが強いと考えられたことから、見出し要素としてマークアップしない方針を採用しました。

ただし繰り返しますが、この方針が絶対唯一の解というわけではありません。ある情報を見出しと識別すべきかどうかは、文書作成者が作成時点で定義するものであり、作成者の意図、文書のサイト内での位置づけ、そして文書の内容等によりさまざまな方針が考えられると思います。